Brad Pitt 主演の映画 Fight Club からのワンシーンです。
Fight Club は公開当時非常に話題になって、その後男のバイブル的な映画になりました。たくさん印象的なシーンがあるのですが、今回はコンビニでのシーンを取り上げます。
夢や希望を追いかけているつもりでも、つい目先のことで満足してしまうことは誰にでもありますね。そんなコンビニ店員に Tyler Durden は銃を突き付けます。
残念ながら全ての人間はいつか必ず終わりが来るわけですが、人間、若い時にはそのことに全く現実味がありません。しかし、人の終わりをリアルに感じた場合、その後の生活には変化があるモノでしょうか。Tyler はコンビニ店員に最高の贈り物をした事になるのでしょうか。
下にスクリプトを書いておきましたので、何度かこのシーンを観た後に答え合わせしてみてください。
ファイトクラブ”What did you wanna be”シーン
下記のリンクからYouTubeにある動画を再生出来ます。
Fight Club – What did you wanna be scene
スクリプト
TYLER: Stop for a second.
JACK: Hey, what are we doing?
TYLER: Turn around.
JACK: What are we doing?
TYLER: Homework assignment.
JACK: What kind of homework assignment?
TYLER: Human sacrifice.
JACK: Hey, is that a gun? Please, please tell me that’s not a gun!
TYLER: It’s a gun.
JACK: What are you doing?
TYLER: Meet me in the back.
JACK: No, no, don’t fuck around.
TYLER: Meet me in the back.
JACK: Fuck.
JACK (V.O.): On a long enough time line, the survival rate for everyone drops to zero.
JACK: What are you doing? Come on…
TYLER: Hands behind the back.
JACK: God!
TYLER: Give me your wallet.
TYLER: Raymond K. Hessel. 1320 SE Benning, apartment A. Small, cramped basement apartment, Raymond?
RAYMOND: How did you know?
TYLER: Because they give shitty basement apartments letters instead of numbers. Raymond, you are going to die.
RAYMOND: No,…
TYLER: Is that your mom and dad? Mom and dad gonna have to call kindly dr. so-and-so to dig up your dental records, do you wanna know why? Because there won’t be nothing left on that face.
RAYMOND: Oh…
JACK: Oh, come on!
TYLER: An expired community college student ID! What did you study, Raymond?
RAYMOND: S-s-s-stuff…
TYLER: Stuff? Were the mid-terms hard?
TYLER: I asked you what you studied.
RAYMOND: Biology, mostly.
TYLER: Why?
RAYMOND: I don’t know…
TYLER: What did you wanna be, Raymond K. Hessel?
TYLER: The question, Raymond, is what did you want to be?
JACK: Answer it, Raymond! Jesus!
RAYMOND: Veterinarian! Veterinarian!
TYLER: Animals.
RAYMOND: Yeah, animals and s-s-s….
TYLER: —Stuff, yeah I got that. That means you have to get more schooling.
RAYMOND: Too much school.
TYLER: Would you rather be dead? Would you rather die? Here? On your knees? In the back of a convenient store?
RAYMOND: Nooo!
TYLER: I’m keeping your license. I’m gonna check on you. I know where you live. If you are not on your way to being a veterinarian in six weeks, you will be dead. Now run on home.
TYLER: Run, Forrest, run!
JACK: I feel ill.
TYLER: Imagine how he feels.
JACK: Come on, this isn’t funny! That wasn’t funny! What the fuck was the point of that?
TYLER: Tomorrow will be the most beautiful day in Raymond K. Hessel’s life. His breakfast will taste better than any meal, you and I have ever tasted.
JACK (V.O.): You had to give it to him.
TYLER: Come on.
JACK (V.O.): He had a plan. And it started to make sense in Tyler sort of way. No fear. No distractions.:
JACK (V.O.): The ability to let that which does not matter truly slide.
解説
On a long enough time line, the survival rate for everyone drops to zero.
十分に長い目で見ると、誰にとっても生き残るチャンスというのはゼロだ。
これは何を意味しているかというと、人には寿命があるという事です。
今地球上に生きている全ての動物は近い将来必ず死ぬわけですが、地球を宇宙船に例えると、人類を含めた全ての動物は生き残るチャンスが全くない宇宙船の乗組員とも言えます。
人はいつか死ぬので少し急ぐ必要があり、それ故、これから起こることが必要なのだ、と暗に匂わせています。
they give shitty basement apartments letters instead of numbers.
酷く、安い地階アパートの名前には数字ではなく文字が付けられている。
この they はアパートのオーナー。会社や組織などを主語にする場合は they を使います。Raymondのアパートの建物は A と名付けられていて、Tyler 曰く、酷くて安い地階アパートの名前には数字ではなく文字が付けられている、ということです。
ちなみに give A + B で A に B を与えるの形なので、この場合 A が shitty basement apartments で B が letters になります。別の形に書き換えるとすると、They give letters to shitty basement apartments とも言えます。
The ability to let that which does not matter truly slide.
取るに足らない、どうでも良い事を本当の意味でスライドさせる能力。
最後の一文は slide が何を意味しているのかがわからないと、ちょっとわからないと思うので少し解説します。
映画の最初の方で、精神的に不活発になった Jack が色々なグループセラピーに参加するというシーンがあります。ありとあらゆるセラピーに参加するのですが、そこで自分の心の奥深くに入り込むというメディテーションがありました。
そのメディテーションで Jack が氷の洞窟に入り込むことを想像すると、そこにはペンギンがいて、そのペンギンが slide と言い残して腹で滑っていくシーンがあります。
ペンギンは飛べない鳥で、どこにも行けない、何も出来ない、という苦痛を感じている Jack 自身を表しています。その飛べない鳥は滑って行くことによって自由に移動します。移動は飛ぶだけでなく、滑ることでも出来るだろ?というわけです。要は、頭を使ってなんとかして物事を進めていくということです。
問題の文章をシンプルにすると、The ability to let that slide になります。「それをスライドさせる能力」ということですね。
何かしら人はどうでも良いことに縛られて身動きが取れなくなっています。それをなんとかして動かしていく能力ということです。
この文中の that は which does not matter という事なので、どうでも良い、取るに足らないこと、ということになっていますが、この that は具体的に何を指しているのか。
コンビニ店員の Raymond の例でいうと、この that は学校に行くことです。学校に行くことが彼の人生において大切なことかと言えば実は全くそうではなくて、獣医として働くことが彼の目標な訳です。学校に行かないで獣医になる方法があるなら、それでも良いわけですね。
しかし、この学校へ行くということが面倒なばかりに、本来の目標である獣医になることも諦めつつあるわけです。なので目的達成のために、そのどうでも良い事をスライドさせる能力というのが必要になるわけです。
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