今回は、英会話に出てくる to の発音について掘り下げます。
go to, get to, want to, try to と to は非常に良く出てくる単語ですが、to の発音が実は我々が思っているトゥではない場合が結構あります。
これを知らないと夢にも to だとは思わないので、何を言っているかわからない原因の一つに。
リスニングが苦手な人はいくつか原因がありますが、このように自分の思っている発音と違う発音をネイティブがしているというのも大きな原因の一つ。
ネイティブは to を na または ta, da と発音することがあります。これを全く知らないとリスニングの時に聞き取れません。
ネイティブの日常会話をリスニングする上で、これは必ず知っておきたい知識です。
会話では to が na または ta, da に変化する
カジュアルな英会話では to が na または ta, da と発音されることがあります。to の前にある単語によってna(ナ)であったり ta(タ)であったり da だったりします。
例を挙げると、
going to → gonna
have to → hafta
trying to → tryinna or tryinta
got to → gotta(godda)
na, ta, da の a の発音はシュワーです。不定冠詞の a と同じ発音ですね。不定冠詞の a とは This is a pen の a のことです。
シュワーを知らなければ、下記の記事を読んでみて下さい。
of も会話では a になることが多いですが、 to や of のような小さい単語は発音においてはきちんと辞書通りに発音されず、適当に発音されることが多いです。
kind of がkindaですし、going toがgonnaですからね。適当な発音だけど、わかるでしょ?って感じ(笑)。力の抜いて、発音のしやすさを優先している感じです。
to が na や ta に変化するのは省略して速く話すことが目的ですので、同時に必ずリンキングもします。リンキングとは、二つの単語をくっつけて一つにすることです。
ですので、別々に分けてgoing naとかhave ta にはならず、gonna とか hafta と発音されます。
リンキングは以前記事を書いてますので、興味あればどうぞ。
それでは個別に見ていきましょう。
gonna, wanna
これは一番良く聞くやつですね。
going toとwant toが日常会話では gonna, wannaと変化します。とてもカジュアルな言い方です。
この言い方は広く普及しているので、アメリカ、オーストラリアのようなカジュアルな国の日常会話では going to とか want to と言う人はほとんどいないかも知れないです。
逆に言うと、イギリスの上品な人達は意地でもgonna, wannaと言わない人もいるかも知れませんね。
下にYouGlishというサイトで gonna, wanna を検索したリンクを貼っておきます。
YouGlishはある英語が実際にどのように発音されるのかを確認出来るサイト。ある検索ワードでYouTube内を検索出来て、発音を聞くことが出来ます。
それでは、実際の会話でどう発音されているのかを聞いてみて下さい。
こうしてリアルな状況で実際に gonna, wanna が使われているのを聞くと、

へー、本当にこう言うんだな。
と自信が持てると思います。
hafta hasta
これはhave toとhas toです。発音はハフタとハスタっていう感じですね。
I hafta go home.
ハフトゥーと言うよりもハフタと言う方がその後の単語とのつながりが良く、速く、簡単に言えるような気がしませんか?
再び YouGlish で検索してみます。
have toで検索していますが、実際は hafta と発音している場合が多いのでよく聞いてみてください。has to も同じです。
gotta
僕にとっては別れ際に

I gotta go(もう行かなきゃ).

Ok. See ya(オッケー、またね).
と使うのが定番なのですが、もちろんそれ以外にも至る所で使われていて、意味は have to と同じです。
gotta はgot to です。しかしなぜ過去形の I gotta go で、現在形の I getta goではないのかは少々解説が必要です。
この場合の got to は本来は have got to のことです。意味は have to と同じです。
いつぞやからか have が省略されて、今では got to だけが残り、gotta に変化して今に至るという感じ。
そういう言葉の成り立ちなので、現在形であっても getta にはなりません。
have が勝手に省略されているので文法としては間違いなのですが、あまりにもたくさんの人が使っているので実際に使われている英語として認識されていますし、辞書にも載っています。
ですが、やはり間違えは間違えだと譲らない人もいて、今だに間違えた英語だとする意見もあります。
言葉の成り立ちは少々複雑ですが、実際には頻繁に出てくる英語なので覚えておきましょう。
発音はイギリス英語だとゴッタ、アメリカ英語だとガダって感じ。アメリカ英語は t の発音がフラップTになってd の発音になります。
フラップTを知らない人は、下記の記事を読んでみてください。
【water pretty】英語の変な発音のコツ【フラップT】
辞書で gotta の発音を確認したい場合は下のリンク先で確認出来ます。
リアルな英語でどのように発音されるのか、 YouGlish でも確認しときましょう。
try to, trying to, glad to
try to, trying to, glad toは下のように変化することがあります。
try to → tryta
trying to → tryinna or tryinta
glad to → glata

じゃさ、すべての動詞+ to の to が ta とか na になるの?
と声が聞こえてくる気がしますが、そんなことはないです。
この辺はカジュアルで砕けた英語ですので、人にもよりますし、どんな動詞だと ta とか na になるという法則はない気がします。
ただ上の try to とか glad to、 それに need to なんかも ta とか na になる可能性が高いイメージです。
それ以外の動詞でも、友達同士の会話だとたくさん出てくると思いますし、歌の歌詞でも出てきます。
こういう砕けた言い回しは言いやすく語呂がいいとか、ちょっとカッコよく聞こえるみたいな感じでネイティブの間にバっと広がるのだと思います。
どのように英語を発音するかはかなり地域差があるので、自分が話す時には無理に真似する必要はないです。特にこだわりがなければ、普通に to と発音しておきましょう。
例によって、YouGlishでネイティブの発音を確認してみてください。
ただYouGlishは、TEDなどのプレゼン動画がたくさんヒットするので普通に to と発音している場合が多いです。しかしいくつか動画を見ていると ta, na で発音しているのを見つけることが出来ます。
最後に
このような学校では習わないカジュアルな言い回しは、実際の日常会話では頻繁に出てきます。
何度も練習して口に馴染ませておけば、あ!いま hafta って言ったよね!?って感じでリスニングする時にも聞き取り易くなります。
自分で言えるものは、聞くのも簡単ですからね。
それでは頑張ってください。
Image by Gerd Altmann from Pixabay
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