ザ・エージェント “You had me at hello” シーン

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動画で英語

この映画はアメリカのスポーツエージェントのサクセスストーリーを追う映画で、主演は Tom Cruise 演じる Jerry Maguire、 映画のタイトルも同名です。

このシーンは映画のクライマックスで、アクション俳優のイメージのあるTom Cruiseが、とても良い演技をしています。

相手役の Renee Zellweger 演じる DorothyYou had me at hello というセリフがとても素敵で語り継がれるような名セリフになりました。どんな意味なのか、動画を見て確認してみてください。

他にも良いセリフがあるので、英語で恋愛する予定のある人はこの動画で予習しておいた方が良いでしょう。

ザ・エージェント “You had me at hello” シーン

今回取り上げるシーンは映画のクライマックス。トラブルがあってしばらく別居状態にあった妻(Renee Zellweger 演じる Dorothy)を取り戻すために彼女の元へ駆けつけるJerry。彼女の家で行われていた女子会に乗り込み、彼女に愛を打ち明けます。

ここでのシーンでは complete という動詞と You had me at hello という言葉が鍵を握っていますので、注意して聞いてみてください。

Jerry Maguire – You Had me at Hello full scene

スクリプト

The athlete: Wow! I love you, Tyson. I love you, baby. How’s the baby? How’s Katie? Oh, I love you so much. You know, ain’t nothing gonna happen to me.

Woman A: I think the problem is, you know, Alice, like you were saying earlier, something about the biorhythms.

Woman B: I was saying the neural pathways are set and that’s why it’s hard for people to change. That’s why behavior doesn’t change (at all?)

Woman C: I’m sorry, I mean this stupid holidays are making me feel more divorced. You know? And, with the songs, the constant chocolate-eating…

Dorothy: You know what, I have a confession to make. I’ve listened to you all tell a thousand sob stories, and well I’ve been very judgmental. Maybe you’re all correct, you know, men are the enemy.

Women: No, they’re not the enemy.

Dorothy: But, but, but I still love the enemy.

Jerry: Hello, Hello. I’m looking for my wife. Wait. Okay, okay, Okay. (If) this is where it has to happen, this is where it has to happen. I’m not letting you get rid of me. How about that? This used to be my specialty. You know I was good in a living room. They sent me in there, I’d do it alone. And now, I just… I don’t know.

But tonight… …our little project, our company had a very big night. A very, very big night. But it wasn’t complete. It wasn’t nearly close to being in the same vicinity as complete… …because I couldn’t share it with you. I couldn’t hear your voice… …or laugh about it with you. I missed my… I missed my wife.
We live in a cynical world. A cynical world. And we work in a business of tough competitors.
I love you. You complete me. And I’m just…

Dorothy: Shut up. Just shut up. You had me at “hello.” You had me at “hello…….”

ちょっと英語解説
  • ain’t = am not, is not, are not, has not, have not、全てで使える万能な単語。この場合は isn’t
  • biorhythm = バイオリズム。本来備わっている体のリズム
  • neural = 脳を含めた神経系
  • pathway = 通路
  • set = 正しく配置する。決める。過去形も過去分詞形も set なのでこの場合は受け身の文章。配置されている。決められている。
  • that’s why = だから。why 以下の疑問の理由が that という事。that は通常直前の文章。
  • behavior = 人の振る舞い、態度。
  • stupid = 馬鹿な、馬鹿げた
  • making me feel more divorced = もっと「離婚したんだ」という気持ちにさせる。
  • the constant chocolate-eating = 絶え間なくチョコレートを食べ続ける事。ハイフンを入れて名詞化している。
  • confession = 告白、懺悔(ざんげ)。通常は悪事を打ち明けること。
  • sob = 泣きじゃくる事。sob storyで泣きながら話す話。
  • judgmental = すぐに否定的に思う事。
  • this is where it has to happen, this is where it has to happen = 「この女子会が君と話をする場所というなら、それで構わない」という事。周りにたくさん他人がいるが俺は構わない、という強い意志の現れ。とても英語的な表現で訳し辛い。直訳すると、「ここがそれ(僕と君が話をする)が起こるべき場所だというなら、ここが起こるべき場所だ」
  • I’m not letting you get rid of me = 僕をここから追い出す事は許さないよ。
  • How about that? = どうだい?何か気の利いた事を言った後に少し誇らしげに how about that と強調している。要するに、追い出せるものなら追い出してみろ、という強い意志を表しているが、表情からは否定されるかもしれない恐怖も垣間見れる。
  • This used to be my specialty = これが僕の専門だったんだよ。Jerry はエージェントなので契約をまとめるためにスポーツ選手の自宅に赴き、選手を説得していた。
  • I’d do it alone = I would do it aloneで「よく一人でそうしていたんだ」と言う事。この would は過去に繰り返しよくしていた事を表す。
  • vicinity = 近くの場所。
  • cynical = 人の行いは全て自己中心的で善意など存在しないという考え方。日本語のシニカル(冷笑的)の語源だが、少し意味合いが違う。
  • Shut up = 黙って。もう何も言わないで。
  • You had me at hello = hello の時に私はあなたのものだった。

ちょっと解説

Jerry と Dorothy の関係

JerryDorothy の関係を少し書くと、Jerry が大手スポーツエージェント会社から独立して自ら起業した時に、その社員だった Dorothy も一緒に辞めて Jerry について行ったという経緯があります。創業当時の唯一の仲間だったわけですね。そのあと結婚しますから、公私共に仲間だったわけです。

Jerry の仕事が忙しくなるにつれて Dorothy との仲が少しづつ悪くなり、最終的には別居することになります。その後の Jerry の成功の後に、このシーンへと続きます。

女子会

この女子会ですが、話の内容から、離婚した、もしくは男と別れた女性を励ますような集まりと言った感じです。なぜ男とうまくいかないのか、というような事を話していたわけです。

アメリカの離婚率は半端ではないので、大抵誰でもそこそこの歳になっていれば離婚の一回や二回はしている感じです。なので、集まっている女性全員が離婚経験者だとしてもそれほど不思議ではありません。

そこに乗り込む Jerry にしてみると、敵陣に殴り込むような感じかもしれませんね。

ですので、みんなの前で彼女に愛の告白をするのは大分場違いな感じで、(If) this is where it has to happen, this is where it has to happen と言っているのだと思います。

本来なら場所を変えて二人だけの方がいいのでしょうけど、Jerry は一刻も早く言わなければ彼女を失う感じがしたのでしょう。

complete

complete という言葉が最初のキーワードになっています。It wasn’t complete. It wasn’t nearly close to being in the same vicinity as complete と、完全なものからは程遠いんだ。君がいなければ僕の成功は完全なものにはならないんだ、から始まっています。

You complete meと言うと、あなたの存在が私を完全なものにする、という意味になりますが、とても英語的な表現で日本語にするのはちょっと難しいです。要するに「君なしでは僕は常に何か欠けた存在にしかならない」ということです。

You had me at hello

もう一つのキーワード、You had me at hello ですが、この映画がきっかけでこのフレーズが有名になりました。

You have me と言うと、私はあなたのもの、という意味です。at hellohelloと挨拶した時です。普通、hello はカップルとか仲の良い人には使いませんから、Hello と挨拶するという事は初対面の可能性が高いです。ということは、最初に出会った時から私はあなたのものよ、ということになります。一目惚れですね。

この場面に関して言うと、この家に Jerry が入って来る時に Hello と言って入ってきます。ということは、あなたが家に入ってきた時からもう私の心は決まっていたの、ということになります。だから、shut up な訳ですね。もう言葉はいらないのです。

最後に

さすがによく練られたセリフでよく出来ています。言葉の持つパワーみたいなものを感じますね。この映画は面白い映画ですので、興味があれば全部見てみてください。

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