歌はひとりで気軽に出来る、効果的な英語の発音練習です。
英語で歌うためには、英会話と同じ発音の知識が必要で、そうでないと原曲のようには歌えません。
現実の英会話では、 th や r の発音、she と see の違いから始まり、リンキング、of や to が a の発音になる、t の音が d になるなど、英語教材にも出てこないことが、実はたくさんあります。
現実社会の英会話にはどれも必須ですが、そういう知識がないと英語の発音が不可能に感じるし、リスニングも出来ない。
実は相応に奥深い、、、英語の発音って訳わからん、、、
しかし歌であれば、かっこよく歌いたいという気持ちがあれば、楽しく発音を研究し、しかも何度でも練習出来ます。
おすすめの英語の歌も紹介します。
- 英語で歌う事は楽しい
- 英語の美学は流れるように速く話すこと
- 英語で歌うと正しい発音、リズム、リンキングが身につく
- 歌い始める前に、発音の基本を勉強しておく
- 具体的にどんな歌を歌ったらいいのか(おすすめ14曲付き)
- Taylor Swift – Shake it off
- Taylor Swift – Blank Space
- Taylor Swift – Me
- Taylor Swift – You need to calm down
- Justin Timberlake – Suit & Tie
- Cary Rae Jepsen – Call me maybe
- David Bowie – Space Oddity
- Rihanna – Umbrella
- Avril Lavigne – Anything but Ordinary
- Avril Lavigne – My world
- Meja – Hippies in the 60’s
- Meja – How crazy are you
- Meja – All’bout the money
- Michael Jackson – The Girl Is Mine
- まとめ
英語で歌う事は楽しい
色々な英語の学習方法がありますが、その中でも英語で歌う事はダントツで一番楽しいです。
歌は楽しいわよ。
英語で歌うことは、日本語で歌うこととはだいぶ違います。
舌や口の動きが日本語とかなり違うので、上手く歌えると相当な高揚感があります。
僕は日本語では歌わないのですが、英語だと歌います。多分ちょっとした挑戦だからでしょうね。日本語の歌でも、英語の部分だけ歌ってみたりします。
英語の美学は流れるように速く話すこと
英語で歌い始める前に、日本語と英語の美学の違いについて知っておくと、英語の歌の練習に良いです。
なぜかというと、無意識のうちに日本語の美学を英語に適用してしまうから。
本当の英語の発音については、ほとんど知られていない
我々が英語の歌を初めて歌おうとした場合に、あまりにも学校で習った英語と違うので、
こんなの出来るか、、
と思うかもしれません。
英語の歌は今まで勉強してきた英語とはまったく別世界の、まったく別のものに感じるかもしれませんが、これが本当の英語です。
”ゆっくりハッキリ”から、”速く流れるように”へ変えていく
学校ではゆっくり丁寧に英語を発音することを練習してきたと思います。もちろん、もっと速く話せと急かされる事はありません。
初心者にはそのほうが分かりやすいという事だと思いますが、それを良い手本だと思っているなら、それは間違いです。
ゆっくりとわかりやすく、ハッキリ発音するという日本語の美学も無意識のうちに影響して、教科書の英語が正しい英語だと思っていると、本当の英語を聞いた時に唖然とすることになります。
ネイティブにとっての自然な英語は、歌で歌われているような速く流れていく英語です。
ですので、英語初心者のように単語を独立させてゆっくりと一つ一つ発音されると、理解するのが非常に難しいとネイティブは言います。
Hello, my, name, is, Nobu. Nice, to meet, you.
Wow, That’s so choppy. You should speak quickly anthamaksit more natural.
英語は早く流れるように話すために、単語同士を繋げて話します。これをリンキングと呼びます。
上のBettyさんのanthamaksitの部分はリンキングして発音していることを表していて、and that makes it をつなげて発音しています。
リンキングすることで多くの発音が省略されるので、慣れていない日本人にとっては訳がわからなくなります。
日常会話のみならず歌を歌うときにも、このリンキングは必須です。
リンキングについては詳細記事を書きましたので、興味ある人は読んでみてください。
言葉だけで説明しても難しいと思うので、天皇陛下とオバマ大統領のスピーチを貼っておきます。
天皇陛下は、単語を細かく区切りながらゆっくり、ハッキリと話しています。
それに対してオバマ大統領は、スピーチのテクニックとして間を取ることはしていますが、結構な長さの文章を流れるように速く話しています。
それでは比べてみてください。
日本語と英語の美学はこのように違います。そして、言葉と歌は密接に関係しています。
英語で歌うと正しい発音、リズム、リンキングが身につく
英語で歌えるようになると、具体的に何が出来るようになるのかを書いてみます。
これだけ身につけば、歌だけでなく、英語で話すときもかなり英語らしくなりますし、リスニングも出来るようになります。
歌以外でこれらを身につけようとしたらかなり大変ですが、歌ですと楽しく練習出来ます。
正しい発音
英単語の正しい発音が身につきます。
これは当たり前ですね。アクセントももちろん含みます。発音の強弱、英語独特のリズムも覚えられます。
日本語には無い発音が英語にはたくさんありますが、大抵の人は自分の知らない英語の発音が出てくると、なんとか自分の知っている日本語の発音にしてしまおうとします。
自分の耳を信じずに、自分の経験や知識を信じる訳です。
そうすると、日本語のアクセントが非常に強い英語になってしまうので、自分の耳を信じて、自分の聞こえる通りに発音するように心がけてください。
アクセント、発音の強弱、英語独特のリズム
日本語が雅楽や能楽的だとすれば、英語はロック、ポップス的です。
英語そのものの中に、速いスピード、強烈な強弱やリズムがあります。
歌で覚えたリズム等の感覚は、英語を普通に話すときもそのまま使えます。
リンキング
英語の速いスピードには、先ほど書いたリンキングが大きく影響しています。
リンキングは英語のスピード感につながります。例えるなら、デコボコ道をバイクでカッ飛んで行く感じ。
of, to が a に変化、t が d に変化
英語の歌を、歌詞カードを見ながら聞いていると、
なにこれ?歌詞と全然違うんだけど、、、
というのが、必ず出てきます。
そこで、of, to が a に変化したり、t が d に変化(flapT sound)しているということを知ると、
あーなるほど!ほんとだ。
となります。
最初はなにこれ?となりますが、その疑問が研究への第一歩です。
新しい単語、フレーズ
何度も同じ曲を歌っていると、単語やフレーズも自然と覚えてしまいます。まぁ、当たり前ですね。
なにげに、僕の英語のボキャブラリーにも貢献しています。
歌い始める前に、発音の基本を勉強しておく
闇雲に歌い始めても良いですが、基本的な英語の発音を最初に覚えておくと上達が早いです。
英語には日本語にない発音がたくさんあります。
英語と日本語で、実際に発音の数はどのくらい違うのでしょう?
日本語はアイウエオの母音、または子音+母音の組み合わせで言葉が作られていて、全部で416種類の音節(syllables)があると言われています(普段使わない発音もかなり含まれている)。
それに比べて英語は15の母音、それに母音の前後に7つまで子音を付けられますので、日本語よりだいぶ多く、7931種類と言われています。
数え方によって違うみたいですが、日本語416種類に対して英語は7931種類ですから、ちょっと多いというレベルではないです。あまりにも違うのでびっくりしますよね。
という事で、日本語話者にとって、英語の発音はかなりチャレンジングです。
日本語にはない英語の発音で、ひときわ要チェックな代表選手を下に挙げておきます。
歌を歌う時には最低でも下記の発音はチェックしておくと、かなり英語っぽくなります。
もちろんまだまだありますが、この辺はまず最初に日本人が気をつけたい英語の発音の代表選手です。
そんなに厳密でなくても良いです。なるほど、こんな感じね、となんとなく知ってから、歌ってみて下さい。まずは楽しむことが先決。
下の記事で詳しく書いているので、読んでみてください。
【まずこれやっとけ】英語の発音のコツ6選【TH, R, sea, earth】
シュワーについては記事を書きましたので、興味があれば読んでみてください。
具体的にどんな歌を歌ったらいいのか(おすすめ14曲付き)
正直なんでもいいですが、何度聞いても飽きないくらい好きな曲がいいです。そうでないと途中で飽きてしまって、歌えるようになるまでいきません。
1000回くらい聞いても飽きないような曲が理想です。
一曲全部歌えるようになるには、そのくらい何度も歌って練習したほうが良いということですね。10回や20回では、まず歌えるようにはなりません。
そんな曲ないよってことなら、自分が気に入った部分だけを50回練習して歌えるようになる、でも良いです。
大事なことは、義務的にやるのではなく、自分で進んでやることです。好きだからやるという感じ。
遊び半分でいいです。好きでいることが、上達する秘訣。
歌いたい曲に心当たりがある人は、ミュージシャンの名前と曲名にlyrics(歌詞)を付けてYouTubeで検索してみてください。誰かがその曲に歌詞をつけた動画をアップしてくれていると思います。
歌詞はグーグルで検索しても出て来ます。
僕は ipad を使って YouTube で音楽を流し、スマホで歌詞を見ながら練習しています。その方が歌詞を見やすい。
ふだん洋楽は聞かない、という人には、とりあえず僕がよく歌っていた、おすすめ14曲を選びました。
下に貼っておきます。音楽は激しく趣味のものなので、あー、なるほどねぇ、と参考程度に聞いてみてください。
Taylor Swift – Shake it off
まずはアメリカのシンガーソングライター、テイラー スウィフト。
ほとんどポップソングは飽和していて、新しいメロディーなんてもう無いと思わせるほどですが、彼女は今まで聞いたことがないような病みつきソングを何曲も作っています。
この曲は hey, hey hey で始まるブリッジの部分が好きで、歌えるようによく練習してました。
その中でも “And to the fella over there with the hella good hair” のfellaとhella で韻を踏んでいるのが気持ちいいです。
Taylor Swift – Blank Space
この曲は病みつきになる曲でもあるのですが、歌うと気持ちいいという理由でもあり、よく練習していました。
歌いやすいから、もっと好きになる、ということもありますね。
この曲に関して、ちょっとしたウンチクを。
途中、got a Long list of ex-lovers という歌詞があるのですが、これが Starbucks lovers に聞こえて『スターバックスの宣伝なのか?』と騒がれたようです。
実際に歌を聞いてみると、確かにそのように聞こえます。ちなみに ex-lovers は過去の恋人(元彼)という意味です。
実はこの部分は list of の of が a の発音になって
♪ Got a long lista ex-lovers ♪
と歌っているので、本当は lista ex-lovers (リスターエックス ラバーズ)と歌っているというのが正解。
これが空耳でスターバックス ラバーズに聞こえるということです。自分でも試しに歌ってみて下さい。
of の発音が a になるのは、英語ではよくある普通のことです。kind of が kinda, sort of が sorta になるようなものです。
この辺は以前記事にしたので、興味あれば読んでみてください。
ビデオ内で曲が終わった後にちょっとしたセリフが入っていて、何言っているんだろ?と思う人がいるかもしれないので、それも書いてみます。
That’s a great day(いやぁ、今日はいい日だ).
I think that’s the one(これがOKテイクね).
That’s a wrap(これで終わり!).
Yeah, proud of you(そうね、あなたよくやったわよ).
という会話の後にパチンとハイファイブ(ハイタッチ)している音が入っています。
テイラーのproud of you がprouda youとなっています。ここでも of が a になっていて、prouda とリンキングしています。
Taylor Swift – Me
英語はたくさんの単語を繋げてマシンガンのように速く歌うとカッコいいのですが、この曲のサビは逆に me という短い単語を長く引き伸ばしているのが面白い。
冒頭の I promise that you’ll never find another like me はまさしく猛スピードの英語的な発音で、日本語式で発音すると音符に乗せることが出来ません。
リンキングや強弱、シュワー等、全てを総動員して、高速で口を動かして英語的に発音することが目標です。
特に僕は that の TH、それに another の TH は絶対に意地でも落とさないように練習しました。出来るようになると気持ちいいですよ。
And there’s a lot of cool chicks out there という部分も好きです。二つの there の TH も重要ですが、速く発音するためにここでも of が a に変化しています。
chick は元々ひよこという意味ですが、ここでは女の子という意味で使われています。オーストラリア時代にドイツ人のバンドメンバーがよく chick を使っていたのを思い出します。
I met a hot chick yesterday.
Taylor Swift – You need to calm down
この曲はサビ前の and I ain’t tryna mess with your self-expression から始まる部分が好きで、よく真似していました。超絶難しく、とにかく速い。
Justin Timberlake – Suit & Tie
僕はJustin Timberlake のファンではないのですが、この曲は病みつきになります。病みつきになるのは、英語で歌う練習には必須事項です。
特にサビのところはよく歌ってました。shit tieって。。。
これを歌っていたら、隣にいた友人が”それって本当に shit tie っていう歌詞なの?”と驚いていました。
超メジャーな(元?)アイドル歌手が shit をサビの歌詞にするところは日本ではあり得ないですね。しかも連呼しているし(笑)。さすがアメリカ。
Cary Rae Jepsen – Call me maybe
この曲は全世界で流行りました。
色々な人がこの曲に合わせて歌いながらビデオを撮る、というのが当時流行って、日本だとローラがビデオを作っていました。
このPVは、最後に甘いだけのラブソングにオチをつけていて、ひねりが効いています。
David Bowie – Space Oddity
この曲も病みつきになって、歌詞も覚えました。
オーストラリアの英語の授業で偶然この曲が取りあげられて、歌詞の穴埋め問題が出たのですが、全問正解しました。
この曲は宇宙飛行士と管制官との会話が歌詞になっているのですが、暗に絶望している男が麻薬で酩酊状態になっている状況を歌っていると感じていました。
そのことを英語の先生に話すと、私もそう思う、と言われて、何かこの曲を通じて深い部分でコミュニケーションが出来たようで嬉しかったですね。
盛り上がっている横で、”こんな暗い曲の何がいいの?”とスペイン人の女の子は憤っていましたが。
タイトルの Space Oddity はこの曲がリリースされた前年に公開された映画 2001: A Space Odyssey(2001年宇宙の旅)をもじったものだと思います。
Rihanna – Umbrella
Rihannaのファンではないのですが、この曲は中毒になります。
サビ前とサビの部分だけ良く歌っていました。
初心者の人は、曲の一部分だけ歌っても英語のリズムを感じられると思います。
Avril Lavigne – Anything but Ordinary
アブリル・ラビーンのアルバム Let go は良く聞きました。若いのに熟練したロックミュージックという感じで、ものすごいプロデューサーが裏にいるんじゃないかと思ったものです。
Avril Lavigne – My world
この曲も好きで、歌詞カードを見ながら良く歌っていました。もうずいぶん前の話ですが、いまだに歌えるのがすごい(笑)。
このアルバム Let go は名曲揃いですので、聞いてみてください。
Meja – Hippies in the 60’s
メイヤは日本でだいぶ流行りました。 当時J-WAVEでガンガンかかっていましたね。
彼女はスウェーデン人なのですが、英語で歌っています。
彼女はしばらくアメリカに住んでいたこともありますし、彼女の英語はほぼネイティブと変わらないので、真似して歌っても問題ないと思います。
3曲とも歌詞が比較的シンプルなので、歌いやすいと思います。
Meja – How crazy are you
Meja – All’bout the money
Michael Jackson – The Girl Is Mine
この曲はとても平和を感じます。歌詞の内容は、ふたりの男が女の子を取り合っています。
歌詞も比較的わかりやすいですし、スピードも速くないので英語初心者におすすめです。
girl の発音は気をつけてください。earthとかburgerと同じで、日本人が苦手な音です。日本語式に、ガールとかアースとかバーガーと発音すると通じません。
ちなみにdoggoneというのは、僕も聞いたことがなかったのですが、調べると fu0king とか damn と同じ仲間で、特別意味はないです。
この手の単語は英語では頻出ですが、日本語にはないので余計訳すのが難しいですね。
まとめ
音楽は激しく好みなので、ぜひ自分のやみつきソングを見つけて、楽しく英語で歌ってみてください。
アクセントの位置とか発音の強弱など、英語らしさが自然とマスター出来ると思います。
最初は当然うまく歌えないと思いますが、うまく歌えないと、
これどうなってるの?
と、英語の発音に自然と興味を持つでしょう。興味を持ってその部分を研究することが、ものすごく英語の発音に役立ちます。
特に単語同士がくっつくリンキング、kind of の of や try to の to が a になることは、最初はビックリなので、気をつけたいところ。
とにかく物真似して、気持ちよく歌えることを目指しましょう。頑張って練習を続ければ、最後には舌が口の中で飛ぶように動いて楽しいですよ。
Photo by bruce mars on Unsplash
Image by Christo Anestev from Pixabay