英語の聞き流しをしようと思うけど、効果あるかな?何を聞いたらいいのだろう?
僕は英語を20年以上に渡って、仕事と趣味でやってきました。テストではリスニングが一番得意で、点数も一番高いです。
今でも移動中は英語の聞き流しをしていることが多く、最近では日本語のラジオを聞く感覚で英語を聞いています。
聞き流しの効果は色々とあります。
英語の聞き流しとは何かを他のことに例えてみると、仕事を覚えるときに、まずは見学して全体の流れを把握することだったり、サックスを練習するのに、まずは音楽を聞いてみること、と同じ。
聞き流しをすることで、ネイティブがどうやって英語を使っているのかが具体的にわかりますし、発音を覚えることも出来ます。
単語や言い回しが面白くて何度も聞いているうちに、新しく英語を覚えてしまうこともあるでしょう。
これが聞き流しです。
前半は聞き流しについての詳細、後半は聞き流しする題材のおすすめを書きます。
聞き流しは楽しいが、初心者には大変
楽器を練習し始めるときに、まずは音楽を聞いてみることに疑問を持つ人はいないと思います。
単純に音楽を聴くことは楽しいですからね。
でも英語の場合は、初心者であればあるほど英語をただ聞いているのは楽しくないです。
だから、
こんなことやっていて、何か意味ある?
と疑問に思うし、聞き流しを止める理由を探すわけです。
でも聞き流しは間違いなく効果があります。英語を話したいなら絶対にやった方がいい。
問題は聞き流しがつまらない、または面白い聞き流しが見つからないということですよね。
面白ければ続けられますから、結局面白いかどうかが一番の鍵になるわけです。
面白くなければ効果が薄い
何事も面白くなければ続きませんし、探究心も湧きません。
ある程度英語が分かり始めて軌道に乗れば、聞き流しも面白くなってきますが、そこまでが少し大変。
初心者ほど、英語が簡単で分かりやすいかどうかが重要な要素になってきます。
なに言っているかわからないから、つまんない。
じゃ、僕があまり英語がわからないときにどうしていたかというと、英語の難易度よりも、その状況や人物、内容に興味がある題材を選んでいました。
ここが鍵になるかと思います。
英語の難易度は大事ですが、そこばかりに注目すると、面白い題材は皆無になってしまうでしょう。
面白いと思える題材を聴き、多少でも英語が聞き取れる部分があって、しかもそれを繰り返し聴き続けることが大事。
僕は最初は映画のワンシーンをよく聞いていました。
実際には”見ていた”と言ったほうが良いですね。恋愛ものが多かったと思います。
単純に可愛い女の子が何かを言っていれば、興味を持たない男はいません。
この子、可愛い。なに言っているんだろ?
そのあとはラジオのポッドキャストをよく聞いていて、オーストラリアのラジオ Matt and Jo show というのをよく聞いていました。
突然見知らぬ誰かに電話をかけ、色々な人になりすましてドッキリを仕掛ける企画が面白かったです。
もちろん英語が全部わかっていたわけではないですが、わかる部分を繋げて全体を推測し、大まかに理解するわけです。
それでもドッキリを仕掛ける緊張感や、相手の驚いたり困惑するリアクションは伝わってきますから十分楽しめました。
あとは、自分の好きな映画や俳優のインタビューものです。
俳優や映画の制作過程に興味があったので、英語が少ししかわからなくても食い入るように聞いていたものです。
少しでもわかる部分があれば、すごく嬉しかったですね。
最近では、アメリカ、イギリス、オーストラリアなどの英語圏のテレビ番組も気軽にYouTubeで見られるようになりました。
YouTubeは音声だけを再生することが出来ないので、あらかじめ音だけを録音しておくか、またはYouTubeプレミアムに入って、音だけを再生出来るようにする必要があります。
聞き流しをするために作られた英語教材は、あまりお勧めではないです。
もちろん内容がすごく面白ければ良いですが、大抵の場合はあまり面白くないですよね。
聞き流しのコツとしては、英語がわからなくてつまらない部分はまさに流していって、わかる部分には食らいついて楽しむことを第一に考えることです。
楽しくなければ続きませんし、続かないとあまり効果もありません。
いちいち調べない
いちいち生真面目にわからない英語を調べていると、聞き流しになりません。
聞き流しとはまさにさらっと聞き流していくということで、わからない英語があっても、そのまま通過しましょう。
とにかくたくさんの英語を通過していくことが大事。
どうしても知りたい英語があるときだけ、辞書やネットで調べます。
わからない部分は、前後関係から推測します。この英語を推測する力というのは、将来的に必ず役に立ちます。
基本的にはさらっと流していって、たくさんの英語を通過していき、雰囲気を楽しむことがまずは一番大事です。
繰り返し聞こう
面白いと思ったものは、何度か繰り返し聞きましょう。
そうすると、最初は聞こえなかったものが聞こえて来ることがあります。
繰り返し聞くことで、例えば3回目とか4回目とかに、
あー、これはこういう意味なのね。
と、徐々にわかって来るわけです。
印象的な言い回しや単語なども、何度も聞くことで覚えてしまいます。
ですので、気に入ったものは、飽きるまで何度も繰り返し聞くようにしましょう。
何度も聞いた後に、最後に答え合わせとして、ゆっくり辞書を引きながら何を話していたのか分析しても良いでしょう。
英語のスクリプトの作り方
最近では簡単に音声から英語のスクリプト(文字起こし)を作れるので、その方法を紹介します。
もう一台端末を用意し、音声入力する方法
一番簡単なのは、もう一台端末を用意して音声入力させる方法です。
もう一台、スマホかタブレット、またはPCを用意します。
英語を再生する端末をA、文字起こしする方をBとします。
メモ帳のようなテキストを打てるアプリをBの端末で立ち上げ、文字を打てる状態にします。スマホかタブレットであれば、キーボードが表示されている状態です。
Aで英語を再生した後に、Bのキーボードで音声入力のマイクのアイコンをタップ、AのスピーカーとBのマイクを近づけます。
これで自動で音声を文字に出来ます。
精度は完璧ではないですが、聞き取れない単語がわかったりして役に立ちます。
Otterを使う
Otter というアプリをダウンロードし、ポッドキャストなどの音声ファイルをインポートすることで文字起こしをしてくれます。
月に600分まで無料で使えます。
動画であれば動画を再生し、Otterで録音する形で文字起こししてくれます。
歓声などのノイズがなければ、まあまあの精度で文字起こししてくれるので便利です。
僕はスクリプトや字幕がない場合は、たまにこうやってどうしても聞き取れない部分のヒントを得ています。
ポイントとしては、機械で文字起こしをしているので必ずしも正確ではないところ。その辺は気をつけてください。
聞き流しに良い、おすすめの材料
ポッドキャスト
やはり聞き流しには、ポッドキャストが一番良いです。
僕は主にBBCのラジオと、アップルのポッドキャストからスマホに色々とダウンロードして聞いていました。
ラジオであれば、そのラジオ局のウェブサイトからポッドキャストをダウンロード出来ることもあります。
自分の好きな俳優やロックスター、自転車が趣味なら bicycle、車が好きなら car で検索してみましょう。
内容もそうですが、話している人の声質や話し方、ボキャブラリーなんかも千差万別なので、好みにあったモノを選びます。
人によっては小難しい言い回しを好む人もいるので、そういう人は英語初心者向けではないですね。
どれを選ぶかは、1, 2分パッと聞いて、単純に好き嫌いで良いと思います。
ダウンロード方法
アップル:
ポッドキャストというアイコンがありますので、そこからダウンロード出来ます。英語で検索すれば、英語のコンテンツが多数出てきます。
アンドロイド:
まず Google play から Google Podcasts というアプリをダウンロードして下さい。
アプリを開くと、ポッドキャストをダウンロード出来ます。同じように英語で検索してみてください。
BBC ラジオ
BBCのラジオは、ここからポッドキャストをダウンロード出来ます。
BBCは宗教、政治、スポーツ、音楽、エンターテイメント、コメディーと色々番組がありますが、僕はエンターテイメントばかり聞いていました。
コメディーのカテゴリーはスタンドアップ・コメディーですので、一番難しい。スタンドアップ・コメディーとは、イギリスの漫才のようなものです。
スタンドアップ・コメディーは、その国の流行りや文化、時事ネタ、スラングがわからないと理解出来ない事が多いので、外国人向けではないです。
しかもイギリスと日本では”笑い”が根本的に違っていて、日本の笑いはバカさ加減を競うところがありますが、イギリスやアメリカの笑いは頭の良さ、ウイット(wit)を競っている感じなので余計に難しい。
楽しいものを聞きたいならコメディーではなくて、エンターテイメントのカテゴリーがおすすめ。
例えば僕は、Adam and Joe をよく聞いていました。
最近だと Greg James という人が良さそうです。
BBCはご存知の通りイギリスの公共放送ですので、イギリス英語です。
ポッドキャスト(podcast)の発音も、イギリス英語だとポッドカストですので、まずそこからして違います。
英語の種類については以前記事を書きましたので、興味のある人はどうぞ。
【19カ国が英語の国】英語には実は沢山の種類がある【どれ選ぶ?】
よく聞いていたポッドキャスト
僕がよく聞いている、もしくはよく聞いていたポッドキャストを紹介します。何を面白いかは個人の好みなので、参考程度にしてください。
この機会に昔よく聞いていたものを探してみたのですが、いくつかもうなくなっていました。紹介出来なくて残念。
● アメリカのコメディアンであり格闘家でもあるジョー・ローガンのショー。
ホストのジョーはとても賢く、イーロン・マスクとの対談が面白い。
他にはマイク・タイソンやエドワード・スノーデンとの対談があったり、元CIA職員が中国について語ったり、UFO活動家との対談も。Spotifyでの配信。
Off Camera with Sam Jones (Apple)(Google)
● 主にアメリカの映画産業で働く俳優や監督をゲストに迎えてのトークショー。
ホストのサム・ジョーンズ自身も写真家でありCMディレクターでもあるので、TVより深い話が聞ける。
The Forward – Lance Armstrong (Apple)(Google)
● 元自転車ロードバイクレーサーのランス・アームストロングのトークショー。
毎回多彩なゲストを迎えている。ドーピングによりツールドフランス7連覇を剥奪された彼が再起するために立ち上げたトークショーで、番組タイトルにその意思が表れている。
その他
これ以外にも、例えば America radio podcast と検索するとたくさんヒットしますし、オーストラリアのラジオも、ラジオ局のサイトからポッドキャストをダウンロード出来ます。
僕はオーストラリアのラジオもよく聞いていましたし、アメリカのコミュニティー放送の車に関する番組も聞いていたことがあります(かなりクセのある英語で大変でしたが)。
もう二つ、役立ちそうなリンクを貼っておきます。
● 50年以上続く、アメリカの非営利ラジオ局。軽いエンターテイメント番組を聞いてみると良いでしょう。
The Most Popular Radio Programs/podcasts (2021)
● このサイトで、今アメリカでどんなラジオがよく聞かれているのかが分かります。
とにかく無限にありますので、自分の趣味に合うものを検索してみて下さい。
YouTube
YouTubeには、ほぼ無限に英語のコンテンツがあります。
映像がついていますので、聞き流しという感じでもないですが、なんとなく電車の中で眺めていてもいいでしょう。
音声だけと違って映像がありますし、字幕も付けられますのでより楽しめます。
ただ、字幕はわからない英語の確認用にとどめて、文字ではなく音に集中することが大事。
聞き流したければ、有料会員(YouTube premium)になると、確かディスプレイを消しても、音声だけは流れてきたと思います。
コンテンツはほぼ無限にあるので、どうせなら面白いモノを見ましょう。
一つ例を出すと、下記の動画は二人のアメリカ人女子による”好きな男の子に送る10のサイン”というテーマです。
女の子がこういう事をしたら、あなたのことが好きなのよ、という内容で、タイトルの She is into you は”彼女はあなたのことが好き”という意味。
アメリカ人の女の子はどうやって好きな男の子にサインを送るのか、日本人と同じなのか、違うのか、ちょっと面白そうですね。
映像ですと、字幕を含めて文字が画面に出てくるので、気になる単語やフレーズを調べることが出来ます。スペルがわかれば調べるのも簡単です。
動画を見る上での注意点ですが、字幕を目で追わないこと。
字幕を目で追うと、聞くというよりは読むという感じになります。動画再生中は話している人の表情と声に集中しましょう。
自動で字幕が付く場合は、英語が正確ではないことが多いですが、この動画に関しては結構良い字幕が付きます。
他にいくつか、面白い動画を集めて記事を書きました。興味があれば遊んでみてください。
おすすめ YouTubeチャンネル
● ディリーブログ(Daily vlog)で一躍有名になり、123千万人の登録者がいる。
彼のスタイルは沢山の vloger(ビデオ日記を作る人) に大きな衝撃を与え、彼の真似をする人が続出。
● Caseyの義理の兄弟。
Casey のスタイルによく似ているが、また違う個性で、日々の生活から切り取ったテーマで動画を作っている。
● Caseyと同じ、デイリーブログで人気になった人。
スウェーデン人の元人気プロアスリートである彼が引退後、スペインとモナコに家を持ち、世界各国を旅し、高級車をカスタムしまくる過程が垣間見られる。
彼の英語はネイティブではないが、ほぼネイティブ並み。
● 色々な事故車を買ってきて、修理していく過程をショーにしたチャンネル。フェラーリやランボルギーニなどの事故車を直していく。
二人の若いアメリカ人がホスト。過去にメカニックとしての経歴があるのかと思いきや、作業内容を見ていると素人っぽいので、どうやらそういう経験はない様子。色々と凄いチャンネル。
● 多彩な有名人ゲストを招くイギリスのテレビ番組。アメリカのスターも多数出演。
● アメリカの有名人が多数出演する、アメリカの有名なラジオ番組。
The Tonight Show Starring Jimmy Fallon
● アメリカのテレビ番組。Jimmyの英語はちょっとクセがあって聞きづらいが、なぜか彼を気に入って、好きな有名人が出ている回をよく見ている。
● ポッドキャストのところで挙げた Joe Rogan Experience のYouTubeチャンネル。
最後に
以前タイの空港で飛行機のチェックインのために並んでいると、タイ人の女性職員が日本語で話しかけてきました。
ヒコウキヲ ベツノビンニ ウツッテモラエレバ バウチャーヲサシアゲマスガ イカガデスカ?
この日本語が完全に感情を抜き去った、まるで死人が話しているような日本語で、寒気がした覚えがあります。
この女性は多分日本語は全く話せなくて、直前に一生懸命暗記したタイの文字で書かれた日本語をそのまま口から出していたのでしょう。
でも、この女性は自分がロボットのように話しているとは微塵も思っていないと思います。
本物の言葉を聞いたことがないと、こういうことが起こります。
こんなことにならないように、聞き流しでたくさん英語を聞いて、自然な英語を身につけましょう。
映画のワンシーンを集めた、動画集も作りました。英語のセリフ(スクリプト)も付けましたので、英語で遊んでみてください。
Image by PourquoiPas from Pixabay
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