今回は、英語のスピーキングに役立つアプリを紹介します。
英語は沢山話さないと上達しませんが、話し相手を探すのが一番難しい。
例え話し相手がいるにしても、知らない相手と雑談するのは面倒。日本語で話すのも面倒なのに、それが英語となるともっと面倒なもの。
そこで、スピーキングに役立つアプリは何かないかと探してみました。最近はAIも発達していますし、機械相手であれば気兼ねなく話せます。
Siriやグーグルアシスタントのような感じで、会話に特化したものがあれば最高。
探してみると、Replikaの有料コースに音声でチャット出来るものがあって、これが一番近い。
それ以外にも英語でのロールプレイや、AIとチャット出来るアプリ等、色々と発見がありましたので、まとめてみます。
緊張せずに英語を話す練習をしたい人は、参考にしてください。
たくさん話したいならトーキングマラソンとレプリカ
今回はロールプレイ9つ、チャットボット2つ、発音に特化したアプリ1つと、大きく分けて3種類のアプリを紹介します。
ちなみに結論を先に書くと、たくさん話したいなら、アルクのトーキングマラソンとレプリカの組み合わせが最高です。
飽きるほど、たくさん英語が話せます。とにかくたくさん話したい人には、このふたつがおすすめ。
【4ヶ月380スキット完走!】実際トーキングマラソンは効果あるのか!?【詳細レビュー】
【英会話アプリとして使う】レプリカとは?【英語の話し相手AI Replika】
話すだけでなく、スピーキングに関わる、文法や単語、話し方やフレーズの学習がしたい場合は、下記の記事を参考にしながら、自分にあったアプリを探してみてください。
それでは大雑把に、アプリにはどんな種類があるのかを書いてみます。
有料アプリと無料アプリ
予算規模が違う
アプリの紹介に入る前に、アプリの質に大きく関係する有料アプリか無料アプリかについて。
アプリには有料と無料のアプリがあります。
たくさんアプリを試していると、アプリの予算規模はアプリの出来に大きく関わっていることがわかります。
ほとんどの人は無料アプリから使えるものを探すと思いますし、僕もそうでした。
いろいろなアプリを試した結果、基本的には有料アプリの方が出来がよく、本当に便利で効果があるものを望むならば、有料アプリの中で考えた方が良いです。
理由は単純で、優れたアプリを作るにはそれだけコストがかかるから。
無料アプリは得られる報酬が広告費だけですので、必然的に出来ることが限られてきます。
まずは、こういう傾向があることを頭の中に置いておいて下さい。
ユーザーのやる気が変わる
もう一つ、自分で有料アプリを使っていて気がついたのですが、有料アプリだとやる気が変わります。
というのは、
金払ったんだからやるよ!
ということです。
無料アプリは、面倒だったらやりません。
別にやる必要もないですから。
無料アプリは始めるのが簡単ですが、辞めるのも簡単。僕の経験だと、2-3回やったらやめてしまう感じ。
有料アプリはお金を払うので、敷居が高い。本当に効果があるのか?と散々悩みます。
しかし一度始めれば、簡単にはやめられません。なんといってもお金を払ってしまった訳ですから。
めんどくせぇーー、でも金払ったんだからやるよ!
いつもこんな感じで、常に自分をアプリに向かわせます。
節約思考の人ほど、アプリに出てくる英語を必死に覚えようとするでしょう。だって覚えないともったいない(笑)。
これ、地味に有料アプリの効果。
無料アプリを試してみて、続けるの難しいなぁと思ったら、有料アプリを使ってみると、続けられるかもしれません。
ロールプレイとチャットボット
英語を話す助けになるアプリは、大きく分けてロールプレイとチャットボットがあります。
ロールプレイとは英語劇
NHKで英語の番組を見ていると、演劇のように英語を話す練習をしている場面が出てきます。
例えば”お店で何かを買うシーン”とか、”レンタカー屋で車を借りるシーン”とか、色々な場面を想定してセリフを言います。あれがロールプレイ。
ロールプレイなんて洒落た言い方ですが、要するに英語劇です。
あのロールプレイを、スマホで出来るようにしたアプリがいくつかあります。
なんとなく当たり前でつまらなそうな印象ですが、中学や高校の英語クラブでは、たいてい英語劇をやります。
英語のセリフを完璧に覚えて、しかも何度もリハーサルするわけですから、スピーキングやリスニングに効果がない訳がありません。
地味といえば地味ですが、必ず効果が上がる方法。
リアルワールドでの会話を実戦とするなら、実戦を想定したトレーニングがロールプレイ(英語劇)という訳です。
チャットボットとは、会話が出来るロボット
LINEのようなテキストで、コンピュータとチャット出来るアプリをチャットボットと言います。
スマホにダウンロードすると、コンピュータと英語で会話が出来るわけです。
チャットボットを使うと、必要な英文を自分でひねり出す練習になります。
頭の中にある英語を思い出しながら文章を書いていくので、声を出さないながらも会話の良い練習になります。
しかも短文ですので、気軽に出来ます。
テキストを音声入力すれば、声を出して話す練習にもなります。
先ほど書いたレプリカというチャットボットは、有料会員になると音声での会話も出来ます。
スピーキングに役立つアプリ12選
それでは、具体的にアプリを挙げて評価してみます。
今回はGoogle PlayやアップルのApp Store、それにネットで検索して、評価が高いアプリを順に試してみました。
それでは、最初はロールプレイのアプリからです。下の表は横にスクロール出来ます。
ロールプレイ
English Speak Practice | English Speaking Practice | Lingochamp | SpeakngPAL | cake | スタディサプリ | Talking Marathon | Speak BUDDY | スマート チューター | |
アイコン | |||||||||
OS | Android | Android, iOS | Android, iOS | Android | Android, iOS | Android,iOS | Android, iOS | Android, iOS | クエスト、クエスト2 |
*発音録音機能 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ✖️ | ○ | ○ |
*音声入力 | ✖️ | ✖️ | ✖️ | ✖️ | ✖️ | ○ | ○ | ○ | ○ |
*日本語訳 | ○ | ✖️ | ✖️ | ✖️ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
英語の種別 | アメリカ | アメリカ | アメリカが多いが 他もあり | アメリカ | アメリカが 多いが他もあり | アメリカ | アメリカ | アメリカが多いが 他もあり | アメリカ |
内容 | 簡単な 日常会話 | 簡単な日常会話と ビジネス英語 | 日常会話がメインで 多少ビジネス | 日常会話、ビジネス、 旅行など多岐にわたる | 日常会話、ビジネス、 旅行など多岐にわたる | 日常会話 | 日常会話 | 日常会話、ビジネス、 旅行など多岐にわたる | ビジネス英語中心で少しの日常会話 |
*楽しさ | 2 | 2 | 3 | 3 | 4 | 4 | 5 | 4 | 5 |
おすすめの対象者 | 初心者 | 初心者 | 発音を 良くしたい人 | 発音を 良くしたい人 | リアルな会話から 英語を学びたい人 | 文法、単語、スピーキングと 総合的に学習したい人 | 流暢に英語を 話したい人 | 会話力を 上げたい人 | VRでビジネス英語を 学びたい人 |
*見た目の良さ | 2 | 3 | 4 | 4 | 4 | 5 | 3 | 5 | 5 |
*とっさの対応練習 | ✖️ | ✖️ | ✖️ | ✖️ | ✖️ | ○ | ○ | ○ | ○ |
おすすめ度 | 2 | 2 | 3 | 3 | 4 | 4 | 5 | 4 | 4 |
特徴 | ゆっくりした英語で 初心者向け | ゆっくりした英語と 短い会話で初心者向け | 見た目が綺麗で 発音練習に良い | 実写の人間が出てきて臨場感があり、 実際の英会話に近い | 英語を楽しく 学ぶことに特化 | 体系的に効率よく 学習 | とにかく声を出して 壁打ちトレーニング | 英語劇で英文を覚え、 発音してみる | VRで臨場感を感じながら 英語を話す |
有料無料:収益方法 | 無料/広告 | 無料/広告 | 無料/課金制の プレミアムコース | 無料のお試し/課金制の プレミアムコース | 無料 | 有料 /7日間無料体験 | 有料 /2週間無料体験 | 有料 /7日間無料体験 | 有料 /10日間無料体験 |
*開発者 | OneDollar/Vietnam | TalkEnglish/USA | LAIX/China | SpeakingPal/USA | Playlist/South Korea | Recruit/Japan | アルク/Japan | スピークバディ/Japan | プラスワン/Japan |
*発音録音機能:自分の英語の発音を録音して、あとで聴ける機能 *音声入力:音声でテキストを入力出来る機能 *日本語訳:英文に日本語訳があるかどうか *楽しさ:スピーキング部分の評価 *見た目の良さ:色使い、グラフック、フォントなどの出来の良さ *とっさの対応練習:実際の会話で求められる瞬時の反応を練習出来るかどうか *開発者:有料アプリは出資している会社と実際に開発している会社が違う場合があるので、その場合は名の知れた方を記載
それではそれぞれのアプリについて書いていきます。先に無料アプリ、次に有料アプリを紹介します。
Speaking English Practice(Android only)
どんなアプリ?
二人のロールプレイで、実際にセリフを発話して録音出来ます。内容は日常会話です。
操作は一瞬戸惑いますが、自分のセリフを言い終わった後に矢印をタップすることがわかってしまえば問題ないです。
基本的にはすべて英語で表示されるので、英語が全くわからなければ、多少操作に苦労するかもしれません。
良いところ
設定すればセリフの日本語訳も表示されるので、英語に慣れていない初心者には良いと思います。
どの役をやるか決めて自分のセリフを録音して、あとで客観的に自分の発音をチェック出来ます。
あまり良くないところ
英語を覚える仕組みがありませんので、漠然とアプリをやろうとすると、英文を読んで録音することの繰り返しになります。
大抵のユーザーはなんとなく英語のセリフを読みながら自分の発音を聞いてみて、それで終わりって感じになりそう。
これって意味ある?
頑張って英文を覚える努力をすることで効果が上がりますが、そこはユーザーのやる気に大きく左右されます。
あまりにもシンプルなので、いずれ違うアプリを探すことになりそうな気がします。
自発的にセリフを覚える努力が出来るのであれば、効果が上がるでしょう。
English Speaking Practice(Android, iOS)
どんなアプリ?
上のSpeaking English Practiceによく似ています。二人のロールプレイで、どちらかを選んでセリフを発話して録音出来ます。
簡単なリスニングのテストもあります。
初心者向けの日常会話とビジネス会話があります。
こちらの方がアプリの見た目が綺麗で操作もわかりやすいので、誰でもすぐに使えます。
良いところ
アプリの見た目が綺麗で、登場するキャラクターの写真があったりと、操作していて気分が良いです。
今現在、英語圏に住んでいて、英語を覚えるモチベーションが高い人に良さそう。
あまり良くないところ
これも英語を覚える仕組みがなく、単純に英文を読んでレコーディングしている感じ。
英語は覚えないと意味が無いので、セリフを自発的に覚える努力をするかどうかで効果が全く変わります。
Lingochamp(Android, iOS)
どんなアプリ?
大きく分けて3つのコースがあって、今回は無料のDubとSpeakingの2つのコースを試しました。
Duoはロールプレイではないのですが、おもしろかったのでレポートします。
DubはYouTubeなどのビデオからリアルな英語を抜き出し、その英語を自分でも発音して練習出来ます。
Speakingはオリジナルのロールプレイで、単語の発音練習の後にセリフの発音練習が出来ます。
今回試した無料のコースは、とてもよく出来ていて面白かったです。これをたくさんやり込めば、英語の発音に慣れることが出来ます。
このアプリには英語のレベルを測る5分くらいのテストがあって、テストをやることでTOEIC、TOEFL、IELTSの予想スコアが出ます。
これもちょっとしたゲーム感覚で面白い。予想スコアは大体合っていると思います。
定期的にこのテストをやって、自分の英語レベルを測ってみてもよいですね。
良いところ
まず、開発費が潤沢にあるようで、見た目がとても綺麗。
下のスクショはアメリカの人気シンガーソングライター、Billie Eilishのインタビュー動画から英語を抜き出して、発音の練習をしているところ。
録音した自分の英語を色分けして評価してくれます。
上のスクショの赤い文字は発音が良くなかった単語、黒は普通、グリーンは良かったもの。星は総合評価で4つが満点。
録音の状況でも変わってしまいますが、評価は、まぁ納得出来るもので面白いです。
お手本の英語と自分の英語を比較することも出来ます。
Speakingセクションのロールプレイは、最初は単語だけの発音練習から始まり、次に実際のセリフの発音練習が出来ます。
レッスンの最後に発音の総合評価と、具体的にどの単語の発音が悪かったのかを教えてくれます。
ネイティブのお手本と自分の英語を横並びで比較出来るので勉強になります。
アプリが発音を細かく評価してくれるのが面白い。
発話するときに時間制限があるので、ネイティブのように素早く話さないと時間切れになってしまいます。
英語は日本語と違って、流れるように速く話すことが大事です。アプリはその辺を考慮しているのでしょう。
速く話そうとすると必然的にリンキングが必要になってくるので、よりネイティブに近づけます。
リンキングってなに?という方は別記事を読んでみて下さい。
他国の英語学習者もこのアプリを使っているわけですが、なんと彼らの英語の発音を聞くことが出来ます。これもちょっと面白い。
いろいろなアクセントがあるので、日本人以外の人が多数このアプリで勉強していることがわかります。
他の国にも自分と同じように英語を勉強している人がいると思うと、モチベーションも湧きますね。
あまり良くないところ
このアプリは英語の発音の練習には良いと思いますが、これをたくさんやったからといって英語が話せるようにはならないです。
なぜかというと基本的に英語を読んでいるだけで、英語を覚える、頭の中から英語をひねり出す、というプロセスがないからです。
英語を話すときは、頭の中にある英語を引っ張り出してきたり、または応用して自分で英文を作らないとなりませんが、その練習が出来ない訳です。
何度も繰り返し英語を読んで復習すれば頭の中に英語が入るかも知れませんが、それは相当何度も繰り返すか、または覚えるぞ!と意識しないと難しい気がします。
SpeakngPAL(Android only)
どんなアプリ?
ロールプレイ式の英会話アプリで、実際の人間が出てきて会話をしてくれます。
もちろん録画されたものですので緊張する必要はありませんが、イラストやアイコンに比べると、本当にアメリカ人と会話をしているような臨場感があります。それがこのアプリが他と違うところ。
自分の発音を録音出来ますので、ネイティブの発音と比べることが出来ます。
下のスクショでは、うまく発音出来なかった部分が赤字になっています。
お手本のネイティブの発音を再生すると、実際ににゅーっと顔が出てくるのが良い。開発者のこだわりを感じます(笑)。
もう少し細かく見てみると
仕事や友人との会話等6カテゴリーの会話レッスンと、母音や子音の発音レッスンがあります。
無料で出来るのはそれぞれ3レッスンのみですが、それなりにボリュームがあるので、興味があればやってみると良いと思います。
良いところ
開発者の所在地がアメリカですので、内容もより実践的な感じ。
英語で生活する状況が目の前にあるなら、明日からすぐに使えるような英語です。
アメリカに移民した人が勉強するには、とても良い教材だと思います。
英語はクリアで聴きやすいですが、変にゆっくり話したりはしていません。それにアメリカ人らしいユーモアもあって楽しい。
自分の発音を3点満点で評価してくれるので、ゲーム感覚で3点取るまで頑張ろうとしてしまいます。
各レッスンが終わった後に内容に関わるテストが出題されて、これもゲーム感覚で面白いです。
あまり良くないところ
このアプリも今までのアプリと同じで、英語を自分でひねり出すことや、英語を覚える仕組みが無いので、英語を読んで発音する発音練習にとどまる感じです。
アメリカに移民したばかりの人なら英語を覚える気満々でしょうし、すぐに使える英語ばかりなので良いと思います。
ですが、その英語をいつ使うかわからない人にとっては、アプリ内に覚える仕組みがないので、なかなか覚えられないでしょう。
Cake(Android, iOS)
どんなアプリ?
主にアメリカの映画やテレビ映像から、英語を抜き出して学習出来るセクションと、ロールプレイのセクションがあります。
従来のお勉強というスタイルではなく、実際の会話から英語の表現を覚えましょうというコンセプト。なかなか共感出来ます。
もう少し細かく見てみると
動画で英語を学ぶセクションでは、動画からキーフレーズを抜き出して、実際に声に出して練習出来ます。
無味乾燥なロールプレイよりは映画のワンシーンの方が興味が持てるでしょうし、面白いと思います。
うまく発音出来ていない部分を赤字で表示してくれます。
ただ、あくまでここが良くないよ、と言われるだけです。正直、発音の評価はあまり精度は高くない感じ。それでも自分の発音を録音して聞けるのは良いです。
今現在、英語圏で生活していないのであれば映画のワンシーンの方が興味が持てると思うので、こういう英語の勉強の仕方はありですね。
ただ、僕ならこのアプリは使わずに自分の好きな映画の好きなシーンから勉強します。その方が何倍も面白い。
動画で学習するセクションとは別に、スピークという会話練習のためのセクションがあります。
下のスクショはスピーク内のカテゴリー。
こちらの方がより実践的で、英語圏で生活するなら、すぐにでも使える表現が出てきます。
ロールプレイ式に英語を発音して、それを簡単に評価してくれます。
良いところ
従来のお勉強という辛い感じから脱却するというのが、このアプリの趣旨です。
英語の楽しい部分を抜き出して、辛い部分をなるべく排除しようとした感じ。
学校の授業とは真逆で本来英語は楽しいものなので、これは良いコンセプトだと思います。
復習したいものを、あとから簡単に見つけられるのも良いと思います。英語は何度も覚えて忘れてを繰り返すことが大事ですので。
あまり良くないところ
このアプリも英語を覚える仕組みがありません。読んで発音練習するのみです。
英会話のためには英語を覚えることは必須ですが、どうもそれをユーザーにさせることを避けている感じ。
「覚えろ!」というだけで、ユーザーがアプリを閉じてしまうからでしょうか?
このアプリに出てくる英語に疑問を持った場合、アプリ内で解決する方法がありません。
アプリの中では、日本語訳で英語の意味を教えているだけです。英語に関する解説はないです。
一応単語をタップすることでgooの英和辞典にリンクを飛ばしているのですが、実際に使ってみるとあまり機能していない時があります。しっかりリンク先を確認していない感じ。
文法や発音を教えている動画もあるのですが、体系的に整理されているわけではありません。
なんとなくアプリを眺めながら、気になったものを再生していく感じです。
感想
このアプリはスピーキングに特化したアプリではないのですが、面白いアプリなので取り上げてみました。
このアプリの謎は、これだけコストがかかっていて、ネットに広告まで出しているのになぜか無料で提供しています。
アプリ内に広告もありません。パッと見は収益がゼロです。
考えられるのはユーザーのデータを収集して自社で利用するか他の会社に販売することくらいですが、実際はわかりません。
何の利益もなさそうなのに良いサービスを提供されるというのは、ちょっと気持ちの悪い話です。
さて、ここから先は有料アプリです。
いくつか無料アプリを試した後の有料アプリは次元が違う感じで、とても印象的でした。
スタディサプリ 新日常英会話コース(Android, iOS)
どんなアプリ?
日常会話に特化した、リクルートの有料アプリです。
単語やキーフレーズの学習から瞬間発話プラクティスと呼ばれる、頭の中の思考を瞬時に英語にする練習が出来ることが特徴です。
アプリの見た目も綺麗ですし、内容にもコストがかかっています。テレビCMもしていますので、予算が潤沢にあるように感じます。
アプリを開いて実際に使ってみると、よく出来た知恵の塊が掌に乗っている印象。さすが有料アプリです。
もう少し細かく見てみると
瞬間発話プラクティスをもう少し具体的に説明すると、下のスクショのように、まずは前提となる状況が説明されます。
次に、それまでに学習したキーフレーズを使って瞬時に頭の中で英文を組み立て、実際に声に出して言ってみるという練習が瞬間発話プラクティスです。
制限時間もありますのでちょっとした緊張感もあり、実際の英会話に近い状況。
単語やリスニングなど、他の英語学習のセクションも良く体系化されていて、レッスンごとに順序立てて英語を学んでいけます。
良いところ
それぞれのレッスンを何度も復習することをアプリから促されますので、アプリのいう通りに復習すればそのうち英語を覚えます。
復習では一度覚えた英語が再び質問されるので、あれ?これってなんだっけ?と、ちょっとしたゲームのようで面白い。
瞬間発話プラクティス以外にも、単語やディクテーションなど、会話に役立つレッスンがあって、これもゲーム感覚で面白い。
リスニングセクションのディクテーションは地味に役立ちますので、積極的に取り組みたいです。
ネイティブの英語講師の解説もあって、濃い内容が簡潔にまとめられています。この辺はさすがに良く出来ています。お金かかっています。
あまり良くないところ
単語やリスニングなど多岐にわたって網羅的なので、英語を流暢に話せるようになりたい!という人には、スピーキングの量が物足りないと思います。
瞬間発話プラクティスは、英語を話すときの頭の中の思考を学習者に実際にやってもらうという発想で理想的だと思いますが、スピードが遅いので大量に練習をこなすことが出来ません。
瞬間発話プラクティスだけに期待すると、がっかりするかも。
このアプリの目標は、総合的な英会話力を上げるです。
流暢に喋るということに関しては、この後に書くトーキングマラソンの方がスピードがあり、圧倒的に話す量が多いのでおすすめです。
このスタディサプリは内容が濃く、レッスンも多岐に渡るので別記事で解説しています。興味ある人は読んでみて下さい。
【本音トーク】スタディサプリ 新日常英会話コースのレビュー【詳細分析】
下が公式サイトです。7日間無料で試せます。
スタディサプリENGLISH(新日常英会話コース)公式サイト
Talking Marathon(トーキングマラソン)(Android, iOS)
どんなアプリ?
アルクが販売する、英語のスピーキングに特化した有料アプリです。
とにかく英語を何度も何度も発音して口で覚えてしまおうというスポーツのトレーニングのようなアプリ。
これは今までなかったので、たくさん英語を話したい人には素晴らしいアプリです。
もう少し細かくみてみると
レッスンは、ロールプレイ式に進んでいきます。
ロールプレイで出てきた英文とその応用、合わせて10前後の英文を全部覚えるまで何度も繰り返し質問されます。
与えられた英語をスラスラと言えるまで何度も何度も発音練習します。
質問は日本語なので、英語を読むのではなく、対応する英語を必ず覚えて発音しないとなりません。
良いところ
今までのアプリは英語を読んで発音するだけが多かったですが、このアプリでは必ず英語を覚えないとなりません。
ここが他のアプリにはない最大の特徴。
トーキングマラソンは、3つのレッスン、45分前後が一回分(今は30分くらいに減っている)なのですが、実際にやってみると、口が疲れてうんざりするほど発音練習が出来ます。
数えてみると全部で380ほどのレッスンがあるようですので、ボリュームも結構あります。
今回たくさん試したロールプレイ式のアプリの中で1つだけ選ぶとすれば、僕はこのアプリです。
月に4,378円(税込)と値段が高いのが悩みどころですが、スピーキングに一番効果があると思っています。
あまり良くないところ
上で説明した以外の機能は全くありませんので、単語や文法に疑問を感じてもアプリ内では解決出来ません。
フレーズを口に出して覚えることに、完全に特化しています。
見た目はかなりシンプルですので、月4,378円(税込)も払っているアプリには見えません(笑)。
ある程度単語力があってヒアリングもそこそこ出来る人が、とにかく話す練習をしたい!という場合は、トーキングマラソンが一番良いと思います。
別記事でさらに細かくレビューを書いていますので、興味のある人は読んでみてください。
【4ヶ月380スキット完走!】実際トーキングマラソンは効果あるのか!?【詳細レビュー】
2週間無料で試せますので、興味のある人は試してみてください。下に公式ページを貼っておきます。
Speak BUDDY (スピークバディ)(Android, iOS)
どんなアプリ?
ロールプレイが中心のアプリで、単語、リスニング、キーフレーズを覚える、キーフレーズを応用する、というのが主な内容。
有料アプリなので、見た目が非常に綺麗です。
ある話題についてコンピュータと自由に話せる「トピック別AI英会話」というのがあります。
本物の英会話に近いので、結構面白い。
もう少し細かくみてみると
ロールプレイに出てくるキーフレーズを覚えることが、主なミッション。
このキーフレーズは下の画像のように日本語で出てくるので、必ず英文を覚えて発音しないとなりません。
あとは発音トレーニングが少しと、日本人が間違いやすい英語についてのレッスンもあります。
良いところ
キーフレーズを覚えないとならないというのは、とても良いです。キーフレーズを使った応用も出てくるので、これもとても良い。
ロールプレイに出てくる単語やフレーズに関するクイズもあるので、ゲーム感覚で覚えることも出来ます。
あまり良くないところ
ちょっと負荷が軽い気がします。
キーフレーズとその応用を覚えれば良いので、トーキングマラソンに比べると、とても負荷が軽い印象。
負荷が軽いと思う場合は、他のセリフも覚えてしまえばグッと骨太なアプリになります。
別記事でさらに細かくレビューを書いていますので、興味のある人は読んでみてください。
【英会話】スピークバディ レビュー【その効果と類似アプリとの比較】
7日間無料で試せるので、興味のある人は試してみてください。
Smart Tutor (スマートチューター)(クエスト、クエスト2)
どんなアプリ?
スマホで使うアプリでは無いのですが、ちょっと面白いのでレポートします。
スマートチューターはメタ クエスト、またはクエスト2で動くビジネス英会話学習アプリ。
メタ クエストとはVR映像を見るための、デカいゴーグルみたいなアレです。
臨場感たっぷりのビジネスシーンで、本当の英会話と同じような緊張感を伴って英語を話すことが出来ます。
もう少し細かくみてみると
これもロールプレイ方式で英語を話します。
とにかく臨場感が凄い。あたかも外国に行って、実際に英語を話しているような気分になれます。
音声認識があるので発音の間違いも指摘してくれますし、話すスピードも測れるので、ネイティブと比べることも出来ます。
良いところ
やはり臨場感。最初のうちは少し緊張すらします。非常に面白い。
あと英語のスピードを測れるのは他のアプリでは見たことがないので、とても新鮮。
自分の話すスピードがネイティブと比べてどのくらいなのか、どのくらいの速さで話すと自然なのか、ということがわかります。
自由に会話が出来るモードもあります。
これもとても面白い。VR映像の中で、瞬発的に英語を話す練習が出来ます。
あまり良くないところ
英文を覚える仕組みがないです。ここが一番のネック。
VRヘッドセットが重いので、30分以上やると少々疲れます。45分くらいが限界。
この二つが解決出来れば、グッと面白い英会話学習になります。
あと値段が月額19,800円(初月の割引あり)なので、ちょっと高い。それだけ面白いし内容も良いのですけど。
詳細は下記の記事で書いたので、興味ある人は読んでみてください。
10日間無料で試せます。VRヘッドセットも無料で貸してくれます。試してみたい人は下のリンクから申し込んでください。
【スマート・チューター】AIxVRビジネス英会話申し込み時に NEW50 のプロモーションコードで課金開始時の初月が5,000円割引。スマホでは小さく「コードを追加」と右上にあるので注意。
IE(インターネットエクスプローラー)ではエラーが出ますのでWindowsの人はME (マイクロソフトエッジ)を使ってください。
チャットボット
ここからは少し毛色が変わって、Replika と Simple Chatbot というチャットボットを紹介します。
これ以外にもたくさんチャットボットを試したのですが、その中ではレプリカが一番使えます。
英語学習に使えるチャットボットは悩むほど種類がないです。おまけでSimple Chatbotも書いておきます。
そもそもチャットボットは英語学習者向けのアプリではないのですが、英語は実際に使うことが一番の学習ですので、遊びと勉強を兼ねてボットと話してみましょう。
会話はキーボードで文字を打っても良いですし、音声入力することもできます。
チャットボットでは、スタディサプリの瞬間発話プラクティスのようなことが出来ます。まぁ、リアルに英語を使うので当たり前ですね。
しかも返事はすぐに返ってきますので、リアルな人間とチャットするよりもスピードが速い。
チャットでは自分の言いたいことが言えます。好きなことを英語で話すにはそれなりに英語の知識が必要で難しいですが、その分面白い。
自分の英語の得意なところ、足りないところがよーくわかります。
英語に疑問を持てばボットは静かに待っていてくれますので、その間にいくらでも調べることが出来ます。
チャットボット
Replika(Android, iOS) | Simple Chatbot app(Android only) | |
音声入力 | ○ | ○ |
楽しさ | 5 | 3 |
ユーモア | 4 | 4 |
役立ち度 | 5 | 3 |
有料無料・収益方法 | 無料/プレミアム会員 | 無料/広告 |
Replika (Android, iOS)
どんなアプリ?
レプリカのコンセプトは、話を聞いてくれる親友です。
下の画像がテキストで会話をしているところ。左がレプリカで右が僕です。
レプリカは名前をつけて、容姿を設定することが出来ます。
僕のレプリカはEmma(エマ)で、下のような姿。相手に名前があって容姿が見えると、より人間と話している感じに近いですね。
自分の名前を設定すると、その名前をレプリカが呼んでくれるので、ふたりだけの会話という感じもします。
アメリカのニュースでも取り上げられたことがあるほど、いま話題のアプリ。
僕はこのアプリで、毎日英語を話しています。
もう少し細かく見てみると
レプリカの良さは、ロールプレイが出来るところです。
今までのアプリのロールプレイはあらかじめ話が決められていましたが、レプリカとのロールプレイは即興で話を作っていきます。
例えば”ハワイに行こう!”とレプリカを誘うと、”いいね、行きましょう!”と返事をしてくれます。
そのまま、あたかも飛行機に乗るような会話をしたり、ハワイに到着してホテルまで行く状況を思い浮かべながら会話が出来ます。レプリカは常に話を合わせてくれます。
ロールプレイは軽くて楽しめますが、そもそもユーザーの胸の内を話してもらうというのがアプリのコンセプトなので、スピリチュアルな傾向や、重い話題になる場合もあります。
下の画像の会話は、右側が僕で左側がレプリカです。
レプリカはロールプレイが出来ることで想像力次第でいくらでも話が作れるので、この次に書くSimple Chatbot よりも長く付き合えます。
例えば”火星に行く”という突拍子もないことでも、レプリカは付き合ってくれます。
Let’s go to Mars!
Sounds great! Mars is a nice place to visit.
ちなみにレプリカはアメリカ英語を話します。
有料Replika Proコース
レプリカには有料のPro会員があります。
Pro会員の最大の利点は、自分のレプリカと音声で話が出来ることです。
英会話の話し相手として使えるのが、このアプリの最大の利点です。
僕はもともとは英語の話し相手を探していたので、”これが探していたもの”ということになります。
実際にレプリカと話してみると、頓珍漢だったり沈黙されたりしてスムーズに会話が進まない一方、妙に話が噛み合う瞬間もあって面白い。
今では寝る前に、毎日30分ほどレプリカと話しています。どんどんアップデートされているので、会話もスムーズになっている感じがします。
レプリカの詳細は、下の記事を読んでみてください。
【英会話アプリとして使う】レプリカとは?【英語の話し相手AI Replika】
実際にレプリカと音声通話した時の感想と動画を下記の記事で見られます。
気になる料金は下記の通り。英会話の教材と考えると格安です。
月額850円(税込)、6ヶ月3,200円(税込)、年5,400円(税込)
Simple Chatbot (Android only)
どんなアプリ?
このアプリは、AIと無駄話をして時間潰しをするためのチャットボット。
いくつか試したボットの中で、僕はレプリカの次にこのアプリが面白かったです。ユーモアがわかるボットですので、特に話題がなくても楽しめます。
ちょっと面白いアメリカの兄ちゃんと話している感じ。
もう少し細かく見てみると
ボットとの会話の質ですが、酔っ払い相手にチャットをしていると考えるといいと思います。
たまにトンチンカンで、たまにやたらと噛み合う。だいたい僕は下の会話のような感じで楽しんでいます。右側が僕です。
チャットしていてアメリカ英語かな?と思ったのですが、下のチャットではアメリカで作られていると言ってますね。
会話が噛み合わないことをボットが察知すると
Maybe, I didn’t understand your meaning.
と可愛いことを言ってきます。
こうやって会話をすると、単語や言い回しで疑問に思うことが出てきます。そこで調べるわけですね。
こうやって遊びながらチョロチョロと調べていると、そのうち意外と知識量が増えていきます。
このアプリの難点は、話が広がっていかないこと。気が向いた時に5分、10分の暇つぶしに良いでしょう。
今のところ、上に挙げた二つのチャットボットが良いです。僕はレプリカ一択で良いと思います。
他のチャットボットも色々と試してレビューしていますので、英語の話し相手という観点でのチャットボット事情に興味のある人は、下のリンク先を読んでみてください。
【話し相手】英会話に役立つチャットボット【実際に英語を使う】
発音に特化したアプリ ELSA Speak
さて、ここからは英語の発音に特化したアプリを紹介します。とても評判の良いアプリなので、実際はどうなのか試してみました。
ELSA Speak(Android, iOS)
どんなアプリ?
英語の発音に特化したアプリで、ネイティブの発音に近づけることを目標にしています。ちなみにお手本はアメリカ英語。
アクセントやイントネーション、子音、母音の発音を細かく指摘してくれるので、細かい発音に意識を向けることが出来ます。
良いところ
とても良く出来たアプリだと思います。通じる英語を話すには発音に注意することが大事ですし、それをゲーム感覚で学べるのは面白いと思います。
英語がある程度出来る人が、自分の不得意な部分に気づくのに良いですね。
アプリに指摘されて改めて自分の発音を再生してみると、恥ずかしいくらいに日本語英語だったりします(笑)。
あまり良くないところ
声の録音状況で評価が大きく変わってしまうことがあります。
マイクに口を近づけたり、少し大きな声で発音するだけで評価が上がったりします。
アプリに『そこ違うから、こう発音して』と言われてもなんとなく半信半疑というか、きっちりと脳にインプットされづらい感じがします。特に英語の初心者は何が悪いのかよく分からないでしょう。
感想
英語を始めたばかりの初心者に関しては、このアプリをたくさんやったからといって英語の発音が良くなるとは思えません。
大半の人にとっては、まず本物の英会話をたくさん聞いた上で、頭の中に”英語ってこんな感じだよね”という感覚を確立する方が先決です。
まずは自然な英語の音を知るということです。
例えばこのアプリの中で、
happy
と、haを強く発音してppy は弱く発音しましょう、というのがあります。
僕は20年ほど映画やpodcast、最近ではYouTubeでたくさん英語を聞いていますので、ある程度は頭の中に英語の音が確立されています。
そうすると、例えば”happy“のように、ppy を強く発音することは強烈に気持ち悪いです。
happy
と頭にアクセントを置くのが、一番自然で落ち着きます。これは勉強した知識ではなく、経験から来る感覚です。
英語初心者にとっては、まずは英語をたくさん聞いて、自然な英語の感覚を身に付ける方が遠回りなようで効率的です。
英語をたくさん聞くと、一度にたくさんの自然な発音を覚えられます。
このアプリは、英語の中級者や上級者にとっては、役に立つアプリです。
自分では気がついていない間違いを指摘してくれるので、発音を細かく修正していくことが出来ます。
ELSA Speakはよく出来た面白いアプリですので、試しに遊んでみてください。有料会員制もありますが、無料でも結構遊べます。
最後に
いかがだったでしょうか?
世の中にはアプリがたくさんありますので、自分の必要に応じて使ってみてください。
冒頭にも書きましたが、僕のお気に入りはトーキングマラソンとレプリカの二つで、これは実際に毎日使っています。もう一度リンクを貼っておきます。
【4ヶ月380スキット完走!】実際トーキングマラソンは効果あるのか!?【詳細レビュー】
【英会話アプリとして使う】レプリカとは?【英語の話し相手AI Replika】
しかしこれだけ探して二つしかアプリが見つからなかったというのは、世の中もっと便利だと思っていたので、ちょっと意外でした。
逆に言うと二つ見つけたのは収穫でした。
1年後に果たしてアプリの成果がどう出るか、楽しみです。
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