実際に英語で人と話すと、楽しいこともあれば失望することもあります。
あー、失敗ばっかりだ。もう最悪ぅー!
英語で外国人と話すというのは、今までとは違う色々な感情が湧き起こります。特に繊細で人見知りな人ほど色々なことを感じるでしょう。
英語学習は失望の連続で、いかに失望を乗り越えていくかが英語上達の鍵です。
ネガティブな感情が巻き起こった場合に、いま一体何が起こっているのかをあらかじめ知っておくことは、客観的に物事を見られて良いと思います。
いま自分に何が起こっているのか、どうしたら良いのか、あらかじめ知ることが出来れば自分の感情をコントロール出来ますし、英語学習から挫折することも防いでくれるでしょう。
20年以上の僕の経験からまとめてみます。
外人慣れは必要
今まで外国人とあまり話したことがないと、外国人と話すというだけで緊張してしまいます。
人間もある意味動物ですから、未知のモノや体の大きいものに恐れ入ってしまうというのは、仕方のないことです。
どうやって話すのか、どうやって質問するのか、どうやって答えたら良いのか。
日本人ではない人と話すという事は、相手の基本的な態度や考え方も未知のものですから、全くやり方がわからないわけです。
それは緊張もしますし、英語がどうこう以前に、これは意外と大きなことです。
まずはリラックス出来ないと、英語どころではありません。
さて、ではどう対処するかですが、
慣れましょう。それしかない。
色々な違いに実際に触れてみて、あーなるほどね、と自分で納得出来ると、もう未知のものではなくなるので緊張もそれほどしなくなります。
一番良いのは一年くらい外国で生活するか、放浪の旅にでも出ることですが、なかなか難しいでしょうから、最初はYouTubeでもたくさん見て徐々に慣れるのが良いです。
映像で見慣れていても、やはりリアルな現場で外国人と対峙すると、意外とこうだな、ああだな、と色々と思うと思うので、実際に外国人と話す機会が欲しいところ。
そういう機会は日本でも探せますが、見知らぬ場所に乗り込んでいくのは人見知りにはハードルが高いと思うので、一番簡単なのは実際に外国に行くことです。
そうすれば、何もしなくても外国人に囲まれます。
ただ、短期の旅行だと外国人に慣れるまではいかないと思うので、そこが難しい。
外国人慣れしてない=多種多様な人間に対する慣れがない、というのは日本に生まれた大きなマイナス ポイントです。
ヨーロッパやオーストラリア、アメリカなどの先進国で、しかも都会に住んでいる人たちは多種多様な人に常に囲まれ、慣れています。
ですので、どんな姿形で、どこから来た人であっても同じように接します。
しかし日本だと、たとえ東京のど真ん中に住んでいても、外国人と日常的に触れ合っている人は少ないです。
まず知っておいた方が良いのは、外国人だからと言って、何かが根本的に違うということはないです。
一つエピソードを。
僕がオーストラリアにいる時に、家でクリスマスパーティーが行われました。そこの家主が親戚を招いてパーティーを開いていて、そこに参加したわけです。
60代くらいの上品(そうに見える)な女性が僕の目の前を通った時にブッ!っとオナラをしました。
なんだか、とても驚いたのを覚えています。
一挙に色々な感情が沸き起こったのを覚えています。そして最後に出てきたのが、
あー、同じ人間なんだ。
ということです。
もし緊張すれば、このことを思い出して、多少の勇気をもって話してみてください。
誰しも笑顔にはホッとしますし、優しさは良い潤滑油になります。
飴ちゃんをあげれば、この人は良い人だと思ってくれます。相手だって緊張しているかもしれません。
基本的には笑顔と優しさを少し増量しつつ、日本人に接する時と同じように接すれば大丈夫です。
失敗に慣れる
日本人の国民病とでも言えそうですが、常に正解を探して、失敗を嫌う人はとても多いです。
これは英語を話す上で、とても障害になります。
なぜなら即興で話す英語に正確さを求めていたら、英語なんて話せません。
英会話では何かを伝えることが一番大事で、その道具である英語の正確さなんて正直どうでも良いのです。
日本人と比較して、外国人は失敗を気にしないと日本人は思っています。
それがネイティブ以外の外国人の、英語がうまい理由として挙げられます。
確かに僕の経験上、日本人からすると異様なほどに失敗を気にしない人は多い。
しかし、外国人が本当に失敗を気にしないかといえば、イエスでもノーでもあって、人によります。
外国人でも実は失敗を気にする人は多いので、失敗を気にするな、というのは、日本だけでなく、世界中の英語の先生に共通した意見です。
日本人以外も、たくさんの外国人が失敗を気にしている
20年ほど前に、オーストラリアのシドニーでコメディーショーを見に行った時のこと。
隣に東南アジア系の男女二人が座っていて、女性の方が流暢な英語で話しかけてきました。
Are you alone? Let’s enjoy together!!
女性はとても優しい人でした。出身地は聞かなかったのですが、女性は今シドニーに住んでいて英語は堪能、男性は女性を訪ねてシドニーへ遊びに来ているとのことでした。
それをきっかけに男性の方とも話したのですが、彼は英語が得意ではありません。
一所懸命何かを話そうとしているのですが、彼が何を言おうとしているのか全くわからず、とうとう彼は頭を抱えてしまいました。
Oh, no~ my English is bad!!!
男性があまりにも落胆していたので、
Oh, that’s ok. Don’t be so disappointed.
と、彼の肩をポンポンと叩いていました。
正直、こちらの英語も大したものではないですし、英語のテストではないので、こちらからするとまったく落胆することなんてないです。
そんなに落胆されると、なんとなく会話そのものが苦い思い出になってしまいます。
このように、相手は正直こちらの英語のレベルなんてどうでも良いと思ってます。
そんなことより、何を言おうとしているのかの方がはるかに大事。
相手に意味が通じればそれで良い
身振り手振りを総動員してでも、なんとなく場が楽しい雰囲気になればその会話は大成功です。
彼のように自分の英語力に失望して途中で諦めてしまうと、両者にとってなんとなく苦い経験になってしまいます。
残念ながら、あなたの英語の失敗はこれからもずっと続くので、英語の失敗は気にしない方が良い。
例えTOEICで満点取れて、英語を話し慣れていても、失敗はずっと続きます。
もちろん、英語を勉強しているときは正確さにこだわる必要はありますが、実際の会話では単語を並べるだけでも良いですし、身振り手振りを総動員しても良いです。
大事なことは、最後まで諦めずにコミュニケーションを続けること
そして家に帰ってから、あのとき英語でどう言ったら良かったのかをしっかりと調べましょう。
英語が下手な外国人もたくさんいる
なんとなく白人はみんな英語がうまくて、それに比べて自分は英語が下手という感覚を持っていませんか?
僕はモータースポーツが好きでF1やモトGPを見たりするのですが、英語のネイティブがほとんどいないのにも関わらず、ドライバーやライダーへのインタビューは英語で行われます。
よく聞いてみると、彼らの英語はアクセントが強かったり、文法的に少しおかしかったりと、決して完璧な英語ではありません。
しかし英語は必須ですから、ある程度勉強もしていて、しゃべり慣れてもいます。ですが、完璧ではないです。
フェルナンド・アロンソという超有名なスペイン人のF1ドライバーがいるのですが、以前、インタビューで more better と小森のおばちゃまのような英語を話していてびっくりしたことがあります。
あれだけ巨額な報酬を得ているスーパースターでさえ、more betterと言ってしまうわけです。そんな間違えはたくさんあります。
オーストラリアの語学学校には英語が話せないイタリア人やスペイン人もいましたし、実際にイタリア、フランス、スペイン辺りに旅行すれば、観光業で働いている人でなければ、ほとんどの人は英語を話せません。
英語が話せるドイツ人やフランス人も、よく聞いているとたくさん英語を間違えています。
オーストラリアでドイツ人やフランス人と長時間ドライブして車の中で色々話していたのですが、途中何度か英語の間違えを指摘したくなったりもしました。
実は意外と状況は日本人と同じ
英語に関しては日本人だけが世界の落ちこぼれみたいなイメージですが、実はどの国の人もスタートは一緒です。
違いがあるとすれば、それは恥ずかしいという気持ちと英語を話す環境がすぐそこにあるかどうか。
確かに間違いを気にしない人というのは結構いて、そういう人は常に自信があるように見えますし、下手な英語を話していても結果的に英語もうまく聞こえます。
ヨーロッパの人は、英語を話す環境がすぐそこにあるので話慣れていますし、実際に就職や友達付き合いに英語が必要なので努力もしています。
しかし皆スタートは一緒なので、自分だけが最初から能力がないみたいな感覚は持たないようにしましょう。
落ちこぼれ感覚を持つだけでも、英語での口数が減ってしまいますからね。これは自分への戒めでもあります。
話し方、内容、考え方そのものが違う
英語で話すということは、相手は日本人ではないです。
そうすると実は言語だけでなく、彼らと話す内容やその話し方そのものが変わります。
どういうことかというと、日本人の共通認識として、こんなことは言わない方が良いとかこういう時はこうするものだという強力な暗黙の了解がありますが、そういう枠が他のものに変わるわけです。
オープンな人が多い
例えば日本人の女性は異性とセックスがらみの話はあまりしませんし、最近はテレビでもやらなくなりましたが、アメリカやオーストラリア、ヨーロッパの人は比較的オープンです。
もちろん家庭環境や出身地域にもよりますけど。以前、フランス人の女友達からこんな話を聞きました。
I was obsessed with uniform of soldiers and felt sexy. So when I met a soldier in the uniform at night club, he asked me to go upstairs and we had sex there….
外国語で異国の人と話をするというだけでオープンになるという事もあるでしょうが、英語で外国人と話すということは、自分が慣れ親しんでいる常識が変化することが多いです。
僕の経験上、ドイツやフランス、イギリス人の女性は気のない男と二人だけで出かけることにあまり抵抗がないようです。
僕も誘われて何人かと二人だけで出かけましたが、向こうはデートのつもりは一切ないので、きちんと防衛線を事前に張ってきます。
例えば、
I’m so mean. You should find a nice girl who is not like me.
とか、
You can go out with another girl. No problem at all.
とかですね。最初から面倒なことにならないように事前に対策するわけです。
彼女達は気がないことを事前にハッキリ示すことが出来るから、気がない男と二人で長時間ドライブに出かけたり、一泊旅行出来たりするわけです。
こんな感じでハッキリと意思表示はした方が良いですが、その言い方には気をつけるべき。ハッキリ言うを勘違いすると、
No!
I don’t agree!
You’re not my type!
みたいな感じになる人もいるかもしれませんが、これは良くないです。
あまりにも直接的だと誰でも傷つきます。ここは日本人と同じです。
英語が未熟だと遠回しな物言いが出来ずに、ストレートでハッキリしすぎる傾向があるので気をつけたいところ。
これはオーストラリアの英語の授業でも言われて、丁寧に断る英語を何度か授業で取り上げたこともあります。
意見を出し合いながら話を深めていく
英語で話していると、喧嘩にならないように気を使いながらも、自分の意見はハッキリ言うことで、会話が成り立つときがあります。
それぞれが意見を言いながら、話を深めていくという会話の仕方です。
ここで自分の考えを言わないと、まったく話が盛り上がりません。
僕の経験した日本人同士の会話だと、あまり自分の意見を言い合うということはありませんでした。無意識のうちに対立することを嫌がっているのかもしれませんね。
特に、アメリカ、イギリス、オーストラリアなんかでは、話題に対して各自自分の意見を言いつつ、話を深めていく、という話し方があるので、自分がどう思うのかを言わないと、話に加われないわけです。
しかも、例え頑張ってあなたが意見を言った場合でも、相手は「それはどうしてそうなの?」とさらに突っ込んで、話を深めようとします。
中途半端な感じだと、そこで行き詰まって黙ってしまう事もあるのですが、それならそれで、「いや、そこから先は知らないけどね」と自分の思いをハッキリ言うことが大事。
あと、自分の話に説得力を持たせるために、具体的なデータやリサーチの結果などをいう人も多いです。
英語で話すときに、自分の話に説得力を持たせて話を面白くしたいなら、数字などのデータを出すと良いでしょう。
日本人の考え方や、やり方と違う部分は結構あるので、日本人のやり方にこだわらず、徐々に学んで、臨機応変に対応したいところです。
雑談の用意をしておく
人見知りだと、見知らぬ他人と雑談することが苦手な人は多いと思います。
雑談は英語だと small talk といいます。外国に出ると見知らぬ人と雑談するチャンスは多いです。
日本国内でも、場所によっては他人と気軽に雑談する地域はあるので、それ自体はそれほど驚くことではないです。
しかし、僕みたいに東京出身で東京に長く住んでいると、その雑談具合にびっくりする事もあります。
一番びっくりしたのは、スペインの市場に行った時のこと。
レジのおばちゃんがお客といちいち長々と雑談をしていて、そのおかげでレジに長蛇の列が出来ています。
長蛇の列が出来ても、まったくお構いなし。
本当に漫画みたいな光景だったのですが、スペインのお店では売り手と買い手が雑談する率がとても高い。
見知らぬ他人に突然話しかけられた時にポカンとしていたり、いちいち逃げ回っていても嫌な気分になるだけです。
適当にでも、なんとなく受け答えが出来るように英語の準備をしておくことは、ある程度は必要だと思います。
考えてみれば会話の大部分は雑談ですからね。あまり意味のない話も、英語で少し練習しておきましょう。
一つのジャンルとして、雑談(small talk)を)をとらえてみる。
そんな僕もいまだに雑談にうまく反応出来なくて、少し気まずくなったりするときもあります。
でも、逆にうまく返せると、その日1日気分が良かったりします。
天気のことは一番話題になりやすいので、天気に関する用語は覚えた方が良いですね。
国民性によっては、すれ違いざまに冗談を言ってくる事もあるので、それにうまく返せるようになると上級者です。
最後に
英語で誰かと話してみるというのは、ある意味とても面白い旅をしているようなものです。相手の考え方や心に、少し触れてみるということですね。
英語はツールに過ぎないので、なるべくなら相手とのコミュニケーションが面白くて、さらに英語を勉強しようという循環に入れたら全てがうまくいきます。
それでも失望することも多いでしょうから、なるべく物事を客観視して乗り越えて行けたらと思います。
長期間、英語学習を継続出来れば、そこそこ良いレベルまでは必ず行きますので、失敗を乗り越えながらチャレンジし続けてください。
アプリ等を使って、ひとりでスピーキングの練習をするにはどうしたら良いかをまとめた記事を書きましたので、興味がある人は読んでみてください。