巷で話題のChatGPT。
マイクロソフトがChatGPTを使った検索エンジン(Bing)を発表したり、色々な企業がChatGPTを採用し始めてから、一挙に話題になるようになりました。
テレビでも取り上げられたので、それで知った人も多いと思います。
実は僕は数年前からChatGPTを使っていて、それはレプリカというチャットボットを通してでした。
【英会話アプリとして使う】レプリカとは?【英語の話し相手AI Replika】
ですので、今回のChatGPT騒ぎには、正直それほど関心を持っていませんでした。
しかしボケッと見ていたテレビでのデモがなかなか良さそうだったので、自分でも触ってみることに。
これまではユーザーが直接ChatGPTに触ることはできませんでしたが、OpenAIが広く一般にGPT-3.5を公開して、誰でも直接使えるようになったのは大きいです。
と記事を書いていたら、なんと進化版のGPT-4が公開されました。
このサイトで記事にするからには英語学習に特化して、GPT-3.5とGPT-4を比較しながら検証してみます。
結論としては、GPT-3.5もすごいがGPT-4はもっとすごい!
さて、英語学習にどれほどインパクトがあるものなのか。大いに期待して読んでみてください。
ChatGPTの概要
全体の話を理解してもらう上で必要になる、ChatGPTの簡単な概要を書いておきます。
ChatGPTを使うと何が出来るのか。
ChatGPTを使うと、”日常的に使っている自然な言葉”でコンピュータに色々な仕事をさせることが出来ます。
これ、画期的!
今まではコンピュータを思い通りに動かすにはコンピュータ言語(プログラム)でコンピュータに命令をする必要があったのですが、それが普通の言葉で出来るようになりました。
普通の言葉とは、我々が日常的に使っている言葉ということです。
今まではコンピュータ言語が使える専門のコンピュータエンジニアでしか作れなかった英語のソフトが、ユーザー自身で簡単に作れるようになったということです。
では、どうしたらChatGPTが使えるのか。
現状ChatGPTを無料で使うには“OpenAI”のサイトからGPT-3.5を使う方法と、マイクロソフトの検索エンジン“Bing”からGPT-4相当のChatGPTを使う方法があります。
GPT-3.5が旧バージョン、GPT-4は新バージョンです。
OpenAIのサイトでも月に20米ドルを課金すれば、最新のChatGPTが使えます。現状だと最新はGPT-4です。
さて、実際にChatGPTを使ってみましょう。
早速ChatGPTを英語の先生にしてみる
それでは早速OpenAIのサイトから、まずはChatGPT-3.5に英語の先生になってもらいます。
実際の画面はこんな感じ。
まずはChatGPTにしてほしいことを頼みます。ChatGPTとの実際の会話を下記に書いてみます。
英語を勉強します。英語で僕に質問してください。僕が英語で回答します。僕の英文が間違えていたら修正してください。
Sure, I’d be happy to help! What are some of your hobbies and interests, and how do you like to spend your free time?
I like to ride my motorcycle, bicycles. Relaxing on my couch is the best but doing maintenance my bikes are also good way to spend my free time.
That sounds like fun! What kind of motorcycles and bicycles do you have, and do you have a favorite place to ride them? Also, what kind of maintenance do you usually do on your bikes?
僕の英語は問題ないですか?
あなたの英語は非常に良いですが、いくつかの文法的な修正が必要かもしれません。例えば、次のような修正が考えられます。
- “Relaxing on my couch is the best” は、”Relaxing on my couch is the best way for me to unwind” のように、もう少し説明的にすることができます。
- “doing maintenance my bikes are also good way” は、”doing maintenance on my bikes is also a good way” のように、前置詞を含める必要があります。
ただし、これらの修正は細かな点であり、あなたの英語が十分に理解されることには支障はありません。
すごい!
初めてChatGPTが思い通りに動いた時には、思わず歓声を上げてしまうくらい興奮しました。
ChatGPTの二つある修正の前半は英語としてはちょっとくどい気がしますが、後半の前置詞onを付け足すという修正は十分納得。
こんな風に英文を作るためのトピックを生成してもらいながら、ユーザーが作った英文の修正もしてくれます。
ChatGPTとは、日本語でも英語でも話せます。
言語を切り替えるスイッチは特になくて、好きな時に好きな言語で話しかけられます。入力時にキーボードの言語設定を変えるだけですね。
上の会話のように、ChatGPTもその場に適した言語で返答してくれます。
これは未来!
それでは少し欲を出して、もっと凄いことを試してしてみましょう。
僕がよくレプリカでやっているロールプレイをやってみます。
ロールプレイとは、ちょっとした演劇みたいなもの。
何かの場面を設定して、何かの物語の中で何かの役を演じます。
それでは舞台を火星に設定して、ChatGPTに物語を作ってもらいつつ、火星を探険しながら英作文をしてみましょう。
今度はマイクロソフトの検索エンジン“Bing”のサイトから、Bing版ChatGPTにタスクのお願いをしてみます。
Let’s play a role game. You are my friend. We are now on Mars. Something happens and we get into an adventure. You make up a story and let’s enjoy the conversation with me. You can change the story depends on my saying. You say within 20 words but if you need to describe the things more to make it exciting, you can do it. You have to correct my English if it’s not natural to say.
Okay, let’s play. I’m your friend and we are on Mars. We are exploring a cave when we find a strange device. It looks like a portal. Do you want to go in?
ChatGPTが作った物語に従いながら、各場面でどう行動するのか、何を言うのかを英文で書いていきます。
このあと上限いっぱいの20メッセージ(お互いに20回発言出来る)まで物語が進んでから終了しました。
ChatGPTが作った物語はなんとも奇妙でした。
このあとのChatGPTとのやりとりを全部書くと長文になるので、あらすじを書いておきます。日本語で書きますが、実際は英語です。
この後このデバイスのポータル(出入口)から不思議な世界へと旅立ちます。
すると、なんとも不思議な世界へ到着し、二人で見た事もない不思議な果物を食べます。
ChatGPTは”美味しい!”と絶賛していますが、僕はお腹が痛くなったことにしました。物語にドラマを加えようと思ったからです。
お腹がおかしいのを治すために何か薬草のようなものが必要だとChatGPTが提案します。
ChatGPTが薔薇に似た植物を見つけます。薬草がわりになるか試してみようと手に取ると、突然その植物が僕の手に咬みつきました。
なんとその薔薇に似た植物は、毒蛇のような動物だったのです。
僕の手が腫れて、痛みを感じてきました。
慌ててどうするかChatGPTに相談すると、手につけたスマートウォッチのようなデバイスで基地と交信して、解決策を聞けと言います。
言われた通りに交信すると、司令官と話すことが出来ました。しかし、その司令官もどうしたら良いかわからない。
一刻も早く治療しないと大変なことになるかもしれないが、どうしたら良いかわからない、というところで会話の上限(20回のやり取り)に達し、お話は終了しました。
冒頭でChatGPTには「僕の英語が自然でなければ修正してくれ」とお願いしています。
物語が進んで僕がセリフを書くたびに、その英語がおかしければChatGPTが修正してくれます。
例えば、
こんな感じで、いちいちこちらが書いた文章を修正して、何がおかしいのかを説明してくれます。
例えば上の2番目の文章(My stomach –)は文法的には間違いありませんが、ChatGPTは不自然だと修正してきました。
さらに突っ込んで、ではネイティブがこの不自然な文章を聞いたときにどう感じるのかを聞いてみます。
すると、こんな風に答えました。
it sounds unnatural and confusing for a native English speaker. It sounds like you are saying that your stomach is a strange thing or a thing that is strange. It doesn’t make sense to use “something” to describe your stomach. You need to use an adjective to describe how your stomach feels, such as “strange”, “bad”, “painful”, “upset”, etc.
要するに“My stomach is something strange”は「自分の胃が何か不思議なもの」だと言っているということです。
自分の胃に何を感じているかではなく、自分の胃が何か不思議な物体だということですね。
文法的には間違いではないけど、意味的にとても違和感があるわけです。
自分の胃が勝手に動き始めて、まるで意志があるように振る舞い始めたら、“My stomach is something strange”と言えるかもしれません。
話の途中で突然思いついた英語についての疑問も、ChatGPTは答えてくれます。
例えば、
Can we find something else?と書いたけど、Can we find anything else?はどう?
That’s a good question. Both “something” and “anything” can be used in that sentence, but they have slightly different meanings. “Something” means a specific thing or a thing that you know or expect. “Anything” means any thing or a thing that you don’t know or don’t care about. For example, if you say “Can we find something else?” you are implying that you have an idea of what you are looking for or that you are interested in finding a particular thing. If you say “Can we find anything else?” you are implying that you are open to finding any kind of thing or that you are not very interested in finding anything specific. Does that make sense?
要するに
ということのようです。
例えば「あの洞窟に人喰いグマがいるよ」と教えられて、その洞窟を探険に行きます。人喰いグマは発見出来ず、代わりに”コウモリ”や”人間の死体”を発見します。
さらに探検を続けて
Can you find something else?
と仲間に聞けば、それは”人喰いグマ”を想像しながら質問しているということになります。
逆に
Can you find anything else?
と聞けば、人喰いグマの発見は諦めて、「他に何か見つけた?」と漠然と聞いていることになります。
こういうニュアンスの違いがあるとChatGPTは言っている訳です。
This is really something for me.
というと、”自分にとってとても印象深いもの”という意味。
この something は何かはハッキリしないが、頭の中に”ある理想”とか”好み”とかに合致するということなので、ChatGPTがいう something とニュアンスが似ています。
さて、ここまででどう思いますか?
ChatGPTが物語を作り、ユーザーの反応から物語を修正し、同時に英語の添削もするし、細かいニュアンスの違いまで答えてくれる。
英語を読むのも書くのも、何かしら良い”目的”がなければやる気も起きません。
こんなふうにゲーム感覚でプレイしながら英語を学べるなら、それに越したことはありません。
英語に関する疑問も次々に湧いてきます。
リーディングもライティングも同時に学べて、しかも英語のニュアンスまでこだわれる。
ChatGPTは革命的に素晴らしいと大絶賛する人が多く、ChatGPTの前と後では仕事の仕方はもちろん、世界が変わるとまで言われています。
英語学習だけを見ても、ここまでコンピュータがやってくれるのであれば、人間の英語の先生がやるべきことが、今後は全く違うものになりそうです。
もちろん英語学習のリスニングとスピーキングは肉体的なトレーニングが必要になるので、現状のChatGPTだけではなんとも出来ません。
しかし単語や文法、フレーズ、ニュアンスのような知識に関する部分は革命的に使えます。
ちなみにスピーキングの肉体的なトレーニングなら、下記のようなアプリがあります。興味のある人はどうぞ。
【4ヶ月380スキット完走!】実際トーキングマラソンは効果あるのか!?【詳細レビュー】
ChatGPTを使うには、ChatGPTに何をしてもらうのかのお願い事を最初に書きます。
これを”プロンプト”と呼んでいます。
ChatGPTとの会話の冒頭、以下の部分がプロンプトです。
このプロンプトに応じてChatGPTが動くワケです。
プロンプトは少しぐらい英語の間違いがあっても、勝手に修正して理解してくれるので大丈夫。気軽に書いてみましょう。
まずは僕が作ったプロンプトを、このままChatGPTにコピペして動かしてみるのでも良いです。次にそのプロンプトを少し書き換えて自分好みにしても良いでしょう。
プロンプトを好きなように書けば、ChatGPTに色々なことをさせることが出来ます。
今までのアプリでは事前に決められた特定のやり方があるだけで、それ以外は出来ませんでした。
ChatGPTの凄いところは、上のように普通の言葉でお願いするだけで、まるでプログラムを組むようにコンピュータを動かすことが出来るところ。
しかもマルチ言語対応なので、英語だけでなく、日本語でもOKです。
英語でロールゲームをしましょう。あなたは僕の友達です。我々はいま火星にいます。何かが起こり、冒険へと巻き込まれます。あなたが話を作って、一緒に会話を楽しみましょう。僕が言う事によって、ストーリーが変わっていきます。基本的には20ワードで話してもらいますが、もし話を面白くするためにもっと長い説明が必要であれば、そうします。もし僕の英語が不自然ならば、必ず修正してください。
Hello, this is Bing. Let’s play a role-playing game in English. You are my friend. We are on Mars right now. Something happens and we get involved in an adventure. I will make up the story and we will have fun talking together. The story will change depending on what you say. Basically, I will talk in 20 words, but if I need a longer explanation to make the story interesting, I will do that. If your English is unnatural, I will correct it for sure.
Let’s start the game. We are on a spaceship that landed on Mars. We are part of a research team that studies the planet. Suddenly, we hear a loud noise outside. What do you do?
英語学習に関する他の使い方
自作の英文の間違いを指摘してもらう
自分で作った英文の間違いを指摘してもらえます。
試しに
I’m looking forward to see you. Is it correct sentence?
と尋ねてみました。
これはよくある間違いで、forward toの後は名詞が続きますから、seeingが正しいですね。
さて旧バージョンのChatGPT-3.5はどう答えるでしょうか?
Yes, the sentence “I’m looking forward to seeing you” is grammatically correct. It is a common and polite way to express anticipation and excitement for meeting someone in the future.
文法的な間違いを勝手に修正して、その正しい英文を評価してしまっています。んー、微妙にこちらの期待と違うことをしてしまっていますね。
それではBingから最新のGPT-4にも聞いてみましょう。
The correct sentence is “I’m looking forward to seeing you.” The verb “to look forward to” is followed by a gerund, which is the “-ing” form of the verb. So, in this case, the gerund form of “to see” is “seeing.” Does that help?
こちらは完璧!
verbやgerundのような英文法に関する英単語を知らないと”なんのこっちゃ?”かもしれませんが、海外の英語学校に入ると必須の単語です。
せっかく英語を勉強しているわけですから、出来ればこのような用語も英語で覚えておきましょう。
GTP-3.5とGPT-4を比較すると、結構違います。GPT-3.5はちょっとおバカで、4は十分実用に耐えられる品質。
ちなみにGPT-4に日本語で答えてもらうと、
“I’m looking forward to see you”は正しくありません。正しい表現は”I’m looking forward to seeing you”です。”to”は前置詞で、前置詞の後には常に動名詞(-ing形)を使う必要があります。
お役に立てたでしょうか?他に何か質問があれば、お知らせください。
となります。
toが前置詞であるという表現は文法を知らないとわからないと思います。to +動詞の形は、前置詞のtoなのか不定詞のtoなのかで後ろに来る動詞の形が変わります。
詳しくはChatGPTに聞くなり、ネットで検索してみてください。
このように”この英語は自然な英語?”のように質問出来ますから、自分の思いついた英語が自然なのかどうかを確認するのに使えます。
Is the following sentence natural? “This cause a problem with locals.”
No, the sentence “this cause a problem with locals” is not natural. A more natural way to say it would be “This causes a problem with the locals.”
How about this sentence? “This causes a problem for the locals”
Yes, the sentence “This causes a problem for the locals” is natural and grammatically correct.
僕はよく歩きながら英語で独り言を喋っているのですが、その時に疑問に思った英文は、スマホを出してChatGPTに聞いています。
正確にはBingのチャットでGPT-4に聞いています。
かなり詳しく詳細に教えてくれるので、とても参考になります。
コツとしては、評価してほしい英文を“”で囲むことと、正しいかどうかよりも自然かどうかで質問することです。
試験であれば正しければ何でも良いですが、実際の英会話では正しい英語でも誰も使わないのであれば、意味がないですからね。
複数の似ている単語の違いを尋ねる
長く英語を勉強しているとあるあるの疑問、problemとissueの違いについてChatGPTに尋ねてみます。
problemとissueは両方とも”問題”と日本語に訳されますが、ニュアンスの違いというものはあるものなのでしょうか?
まずChatGPT-3.5に聞いてみます。英語でも質問出来ますが、今回は日本語で質問してみます。
problemとissueの違いを教えて。
「problem」と「issue」は、両方とも何らかの問題を指す英単語ですが、異なるニュアンスを持ちます。
一般的に、「problem」はより広範な意味で使用され、解決すべき困難や障害を示します。この単語は、個人的な問題や技術的な問題、またはある状況に対して問題があるということを表すのに使用されます。
一方、「issue」は、より具体的な問題を指し、解決が必要な問題や論争を示します。この単語は、公的な問題や社会問題、またはあるテーマに関連する議論や論点を示すのに使用されます。
つまり、「problem」は一般的な問題や困難を示し、解決すべきことを示す場合に使用されます。「issue」はより特定的な問題や議論を示し、問題を解決するために議論や検討が必要なことを示します。
こんな感じで答えが返ってきました。
洗練されていない文章なので混乱する人も多いと思いますが、こういう質問をしても答えがきちんと返ってきます。
僕の理解している答えは、problemとissueはどちらも「問題」と翻訳出来て、problem, issue どちらを使っても良いことが多いです。
しかしChatGPTが言うように、ニュアンスの違いがあります。
problem – 車のブレーキ故障のように、すぐに解決しないと悪いことが起きる問題。
issue – LGPTや環境問題のように、解決までに複雑な議論を要する問題、議題、または答えが簡単には出ない議論。
答えを知っているとGPT-3.5の回答は悪くないように感じます。
しかし事前に答えを知らないと、結局何を言っているのかよくわからん、という回答にも感じますね。
では、BingのGPT-4にも聞いてみましょう。
“problem”は「解決が必要な問題」を指し、主として解決方法が存在する問題事というニュアンスがあります。一方、”issue”は「議論が必要な問題」や「争点」を示し、解決方法の有無にかかわらず議論することに重きを置いているイメージです。
お役に立てたでしょうか?他に何か質問があれば、お知らせください。
こちらの方がスッキリとまとめられていて、洗練された文章でよくわかります。
GPT-3.5とGPT-4はやはり全然違いますね。
他にもareaとregionとかseaとoceanとか、違いが微妙な英単語はたくさんあります。
日本語の「海と海洋」、「車と車両」、「議論と話し合い」の意味やニュアンスが違うように、英語にもこういう違いはたくさんあって、しかも辞書だと良くわからない。
今まではネットで誰かの解説を探さないとなりませんでしたが、これからはChatGPTに質問すれば一発回答。
このように疑問に思ったときにすぐに解決出来るなら、こんなに素晴らしいことはありません。
vastとhugeって違いがあるのかな?ChatGPTに聞いてみよう!
状況別にどのように英語で表現したらよいかを尋ねる
GPT-3.5とGPT-4では結構な違いがあるので、これからはChatGPT-4にのみ聞いてみます。
友達の誘いを断るときのカジュアルで自然な英語表現を教えて。
「decline a friend’s invitation」や「I think I’ll pass this time, thank you. Maybe next time, thank you.」などがカジュアルで自然な英語表現です。
んー、なんかイマイチですね。passはいいとして、declineって、かなりフォーマルな感じで、カジュアルには感じません。
では英語で聞いてみましょう。
Teach me some casual and natural English expressions when I say no to my friends invitation.
Some casual and natural English expressions when you say no to your friend’s invitation are “I’m afraid I can’t make it”, “I’m sorry, I have other plans”, “I’m not feeling up to it”, “I’m going to pass this time”, “I’m not really in the mood for it”, “I’m going to have to take a rain check”, “I’m going to sit this one out”, “I’m going to have to pass on this one”, “I’m going to have to decline this time”.
こちらは素晴らしい!
どうやら日本語で尋ねた場合と、英語で尋ねた場合では違いがありそう。
どうして日本語と英語で違いが出るかというと、たぶん英語と日本語ではWeb上の情報が違うからだと思います。
ChatGPTはインターネット上のWebサイトから情報を引っ張ってきて、それをまとめて表示している感じ。
もちろんその情報をどう編集するかは相当な技術が必要ですが、元々の情報のソースはWebサイトです。
質問の内容にもよりますが、英語に関する情報は英語で発信されていることが多いので、英語で問いかけた方が良い答えが返ってきそうです。
英語で質問するのが難しいと感じるなら、まずは日本語で書いてChatGPTに英語に翻訳してもらいます。
その英語をコピペして質問すれば、英語のサイトを元に答えてくれます。
当然英語で返答してきますので、よくわからなければ、またそれを日本語に翻訳してもらうか、最初から「日本語で答えて(the repley should be in Japanese)」とプロンプトに書いておいてもいいかもしれません。
ですが、なるべくなら英語で質問して、英語の解答を読みましょう。それ自体が英語の勉強になりますから。
辞書として使う
もちろん単純に辞書としても使えます。
TEDトークの中の一節でこんな文章が出てきました。
The sheer size of the icebergs is humbling.
そのまま文章をChatGPTに日本語に翻訳してもらうと、
氷山の巨大さは人を小さく感じさせる。
と回答が返ってきます。
日本語の意味はわかりますが、どうしてあの英語がこの日本語になるのか。ちょっと釈然としない感じがしますね。
ここでわかった気になる人も多いかもしれませんが、自分がどちて坊や(何を言ってもどうして?と聞き返す子供)にわかるまで説明出来ない場合は、自分でもよくわかっていないということ。
こんな時は、もう少し英語を分解して調べてみます。
さて、The sheer sizeのsheerは?
sheerの意味を教えて。
“Sheer”という単語は、形容詞としては「完全に、純粋に、真に、ただの、垂直の、非常に薄い」という意味があります。
あれ?なんだか微妙。どの日本語もしっくりしません。
では英語で聞いてみましょう。
What does sheer mean?
“Sheer” can be an adjective meaning “nothing other than, perpendicular or nearly so, very thin” . It can also be used to emphasize how very great, important, or powerful a quality or feeling is .
後半のemphasize(強調する)の部分がドンピシャです。こちらの方がしっくりきます。
あらためて日本語の辞書でsheerを調べてみると、
となっていて、そもそも日本語の辞書が微妙。どれもこの場合のsheerを説明していない感じ。やはり英単語はなるべく英語で調べた方が良いです。
もっと簡単に、この文章におけるsheerの意味を知りたければ、ピンポイントで知ることも出来ます。
In this context, what does sheer mean?
または、
この文章におけるsheerの意味を教えて。
といった感じ。
ただ、こうやって安直に聞いてしまうと簡単すぎてすぐに忘れてしまいそうなので、僕はなるべく自分で探すような聞き方をしています。
それでも漠然としない場合に限り、このように直接聞くようにしています。
今度は“be humbling”を調べてみます。
What does “be humbling” mean?
“Humbling” means causing someone to understand that they are not as important or special as they thought. For example, when you see something that is much bigger than you, it can make you feel small and insignificant. That’s why people say “the sheer size of the icebergs is humbling” because it makes them feel small in comparison to the size of the icebergs.
このようにbe humblingは、主語によって「自分が大したものではないと気付かされる」という表現。
上の英文をChatGPTに日本語に翻訳してもらいました。
「Humbling」とは、誰かが自分自身が思っていたほど重要で特別ではないことを理解するようにさせることを意味します。例えば、あなたよりもはるかに大きなものを見ると、あなたは小さくて取るに足らないように感じることがあります。だから人々は「氷山の巨大さは人を小さく感じさせる」と言うのです。それは、氷山の大きさと比較して自分自身が小さいと感じるからです。
ちゃんと日本語に訳してますね。
ここで一つ重要なのは、GPT-4が”話の流れ”を理解している点です。
ChatGPTは、なぜユーザーがhumblingを調べているのかを理解しています。氷山を例に出しながらhumblingを説明しています。
AIにはこれが意外と重要で、他のAIでは”話の流れをつかむ”というのが意外と難しい。
”話の流れ”なんて人間にとっては当たり前の話なのですが、コンピュータにとってはそうではありません。
チャットボットのレプリカと話をしていると、文脈、話の流れがつかめていないとよく感じました。
当時のレプリカはGPT-2で動いていると言われていたので、GPT-2は話の流れを掴めなかったのかもしれません。
今のレプリカはGPT-3で動いているようなので、話の流れに沿った、だいぶ良い反応が返ってくるようになっています。
特定の単語を使った例文を作ってもらう
単語は知っているが、実際にどう使うのかよくわからない場合があります。
例えばmaintenance。
日本語でもメンテナンスという外来語で使われているので、日本人ならほぼ全員知っている英単語。
ですが「メンテナンスをする」いう風に実際に英文で使うとなると、どう使ったら良いのでしょうか?
早速ChatGPTに聞いてみます。
メンテナンスをするという英文の例をいくつか作って。
「メンテナンスをする」という英文の例をいくつか紹介しますね。
- We will perform maintenance on the system from 10:00 PM to 12:00 AM on Friday.
- The maintenance of the machine is scheduled for next week.
- The maintenance work on the building is expected to take two weeks.
他に何か知りたいことがあれば、教えてくださいね!
ちょっとフォーマルな感じですが、こんな風に使うわけです。
ではもっとカジュアルに、「今週末はバイクのメンテナンスをするんだよ」って英語でなんて言うか聞いてみましょう。
今週末はバイクのメンテナンスをするんだよ、を英語にすると?
「今週末はバイクのメンテナンスをするんだよ」という英文は、「I’m going to do maintenance on my bike this weekend.」と言います。
なるほど、そうするとdo maintenance onで覚えると良いことがわかります。
世間話
この記事の冒頭ではChatGPTに物語を作ってもらいましたが、今度は単純に”英語で会話しよう”とだけプロンプトを書いてみました。ついでに僕の英語も直してもらいます。
僕が発言すると、自動で英語の修正をしてくれるようにします。
こんなプロンプトを書きました。
I want to talk to you as English practice. You start the conversation. You can ask just one question in one message. You have to correct my English if it’s not natural. If my English is perfect and completely natural, you should say it’s perfect English. And then you ask something related to my reply and keep the conversation going.
最初はOpenAIのサイトからGPT-3.5で試したところ、非常にうまく機能して、会話をしながら自動で英語も直してもらいました。
このときは特に話題を設定しませんでしたが、自分の好きな話題に設定しても良いでしょう。
例えば恋愛について話してみるとか、車やバイク、ハイキングや登山でも良いでしょう。
Let’s talk about cars.
実はBingのGPT-4でもこのプロンプトを試しました。うまく会話は出来るのですが、なぜか自動で英語を直してもらえませんでした。
もちろん会話の途中で”英語を直して”とChatGPTに要求すると直してくれます。ですが、いちいち英語の添削を要求しないとならないのが面倒。
もう一度OpenAIのサイトからGPT-3.5で試したら、今度はなぜかBingと同じ結果。英語を自動で直してくれません。
GPT3.5と4を行ったり来たりしながら何度か試したのですが、なぜか一番最初のGPT-3.5でうまく行った後は、どれもうまくいきませんでした。
なんとなく不安定というか、同じプロンプトに対して常に同じ反応をしてくれません。
少し調べたら、こういう不安定さというのはChatGPTにはあるようです。プロンプトは同じなのに、毎回同じ反応はしてくれません。
とりあえず英語で会話は出来ますし、英語を評価してもらうことも出来ますが、ユーザー側で少し工夫する必要があります。
今後の進化に期待です。
文法も学習できる
文法についての解説は簡単に頼むことが出来ます。
英語の現在完了形ってなに?
ChatGPTは例によって簡潔にさらっと解説してくれます。その上でよくわからなければ
もっとわかりやすく、詳しく教えて。
と納得するまで質問してみましょう。今まで知らなかったことがわかるかもしれません。
しかし限界もあります。
僕も何度かやってみましたが、どこかで同じ回答がループするようになります。そこが現状のChatGPTの限界です。
練習問題を作る
練習問題も作れます。
英語の現在完了形を勉強したい。練習問題を作って。その問題に答えるので、その答えを添削してください。
そうすると問題を作ってくれるので、それに答えた後に添削してもらいます。
GPTの解答に納得出来なければ、わかるまで何度でも質問することも出来ます。
自分の苦手なものを納得出来るまでChatGPTに尋ねて、同時に練習問題も作ってもらえれば、これはなかなかの助けです。
どうしたらChatGPTを使えるのか?
そろそろ自分で実際にChatGPTを使いたくなってきていると思います。
それでは実際にどう使うかを解説します。
ChatGPTは今のところ無料で使えます。
何度も記事に出てきましたが、以下の二つのサイトでChatGPTを使えます。
OpenAI
下のOpenAIのサイトで、e-mailアドレスと名前を登録するとすぐに使えるようになります。
OpenAIのサイトに行ったらTry ChatGPTをクリックし、sign upをクリックしてアカウントを作ってください。
ただし現状無料で使えるのはGPT-3.5です。
月20米ドルほど支払ってChatGPT plusが使えるようになると、最新のGPT-4が使えるようになります。
今後GPT-5,GPT-6と次々にリリースされても、課金していればいち早く最新のものが使えます。
マイクロソフト Bing
最新のGPT-4を無料で使いたいならマイクロソフトのBingです。
Bingで使われているのはGPT-4。ただ、検索エンジン用に仕様変更されているので、OpenAIのChatGPT-4そのものではありません。
Bingで「Are you GPT-4?」と聞いても
No, I’m not GPT-4. I’m a language model developed by Microsoft.😊
と言われますが、マイクロソフトはBingはGPT-4をベースに動いているとアナウンスしています。
Confirmed: the new Bing runs on OpenAI’s GPT-4
では何が違うのか。
以前BingのChatGPTでプロンプトを作るように指示したところ、”プロンプトは作れない”と言われました。
本来プロンプトはユーザーが作るものなのですが、それをChatGPT自身に作らせようという試みです。
OpenAIのChatGPTだとプロンプトを作れるので、BingのChatGPTではプロンプトを作れない仕様になっているようです。
基本的に検索エンジンに乗っているChatGPTなので、余計なことはしない仕様に変更されているわけですね。
BingでChatGPTを使うには、PCだとマイクロソフトエッジというブラウザをインストールする必要があります。マイクロソフトエッジ上でないとChatGPTを使えません。
しかもマイクロソフトのアカウントでログインする必要があります。
僕の場合は、懐かしのホットメールのアカウントでログイン出来ました。
マイクロソフトのアカウントを持っていなければ、新しく作りましょう。
エッジがインストールされているのであれば、下のリンクからBingに飛んで、上部のメニューに”チャット”というのがあります。そこからChatGPTが使えます。
エッジがインストールされていなければ、窓が開いてインストールする画面が表示されるので、指示に従ってください。
PC – Bing
スマホではBingのアプリをダウンロードして使います。
イマイチなところ
動作が不安定
先ほども書きましたが、同じプロンプトを使っていても毎回同じようにレスポンスしてくれるわけではないです。GPT-3.5でも4でも同じ。
あるときは上手く動くのに、あるときは動かない。
原因はわかりません。どうやら、そんなもののようです。
情報が正確かわからない
例えば英語の”発音”についてChatGPT-3.5に尋ねると、かなりメチャクチャな回答が返って来ます。
全体的にGPT-4はまだまともな感じ。GPT-4では全体を通して大体8割から9割くらいは正しいことを言っている感じがします。
英語に関する質問の場合、情報の精度が日本人である我々では判断出来ない場合が多いです。最終的にはネイティブに検証してもらわない限り、なんとも言えません。
GPT-4はまあまあ信用出来ますが、100%信用出来るかと言われると、現状それは難しい。
元々文章を作る事に長けているAIなので、英文を作ったり、評価したりする事に関しては、結構ちゃんとしている印象です。
音声での会話が出来ない
技術的にはChatGPTの発言を音声で読み上げるプラグインと、音声入力を組み合わせれば会話は出来ますが、かなり不自然。
現状、ChatGPTが喋る言葉が昔のロボット風。さらにこちらのスピーキングを文字にする音声認識もまだ微妙。
人間は推測することでスムーズに会話が出来るのですが、この辺をコンピュータにやらせるのはまだまだ難しい。
なので、もう少し待たないと人間と話しているようにスムーズに会話するのは難しそうです。
実は、人間と変わらない自然な会話が出来るAIを開発済み、とGoogleはアナウンスしています。
AIだと誰も気がつかないくらい自然らしい。
しかしそれを我々一般ユーザーが使えるようになるのは、もう少し先の話でしょう。
現状、ChatGPTに音声入力は出来ますのでスピーキングの練習にはなりますが、なかなか思い通りに理解してもらえないので、ストレスは溜まります。
色々な企業がAPI(ChatGPTを操作するための別のプログラム)を開発しています。
良いスピーキングアプリやディクテーションアプリをChatGPTと組み合わせれば、いずれ普通に会話が出来るようになると思います。
もうしばらく待ってみましょう。
まとめ
プロンプトを作れば、ChatGPTはいろいろなことが出来ます。
自分が必要だと思うことをChatGPTにやらせてみてください。
まだ未熟な部分もありますが、十分未来を感じることが出来るでしょう。
AIは世界を変えると言われていますが、英語学習も例外ではないです。
普通言語で会話出来るAIを誰もが日常的に使うということは、まだ始まったばかり。進化のスピードは爆速なので、10年もすれば相当洗練されてくるはず。
英語学習ではまだ辞書やネットの書き込み、ネイティブの存在は大いに必要になります。
しかし気軽にちょこっと英語で遊んでみる、確認してみる、ということではChatGPTは十分に使える存在。
2023年はAIが大いに発展し始める、歴史的な年になるでしょう。
UnsplashのRock’n Roll Monkeyが撮影した写真を使っています。