自分の英語がどこの国の英語か、今まで意識したことはありますか?
実は世の中にはアメリカ、イギリス、オーストラリア、インド、ジャマイカ等、たくさんの英語があって、それぞれ違いがあります。
学習が進むに従って、無国籍でロボット的な英語からもっと自然な英語を目指すようになると思います。
その上で、自分はどの英語を勉強するのか。
例えば日本にはいろいろな方言がありますが、それをごちゃ混ぜにした日本語はどんな感じですか?アメリカ、イギリス、オーストラリア等の英語を混ぜるのはそんな感じです。
自分が話している英語がどの英語なのか知らないというのはおかしな話なので、学習を進めていく上でいつも気にしておきましょう。
英語には沢山種類がある
パッと思いつくのは、アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、それにジャマイカ、インドっていう感じでしょうか。それぞれ特徴があります。
きちんと英語圏の国を数えてみると、実は82の国と地域が英語を公用語として使っています。
英語を話す人が大多数の国は、イギリス政府によると19カ国だそうです。下に書き出しておきます。
*カナダは57%ほどが英語話者で、フランス語が21%ほどです。
もちろん全ての国で、同じ英語を話しているわけでありません。それぞれに方言のようなものがあります。
19カ国、もしくは82の国と地域で英語を話すのであれば、82種類の英語があると考えるほうが妥当です。
さらにアメリカやイギリスでは地方によっても違いがありますので、その数はさらに増えます。
種類というと漠然としますが、要するに方言です。
日本語にも東京弁、大阪弁、博多弁等々、沢山の方言がありますので、実は日本語にも沢山の種類があると言えます。
アメリカ vs イギリス
メジャーな英語を挙げると、当然アメリカとイギリスになります。
そもそもイギリス英語が標準の英語とされているのですが、近年アメリカの力が強大になり、イギリス人もアメリカ英語の影響を受けるほどになっていて、事態は複雑になっています。
アメリカとイギリス英語の違いは、常に話題になります。
これはネイティブにとっても面白いみたいで、言葉の違いで色々な笑いがあります。
僕も結構好きで、YouTubeでそういうコンテンツがあれば、つい見てしまいます。
下の動画はアメリカ英語のシェリーとイギリス英語のハリー杉山が笑いも交えて、お互いの英語の違いについて話しています。
これは面白かったです。
下の動画はイギリス、アメリカ、オーストラリアの英語の先生が、英単語の違いについて話しています。
多分イギリスのBBCラジオで聞いたと思うのですが、アメリカの名優ロバート・デニーロがイギリス人の役をやったことがあるそうです。
その時のイギリス英語がイギリス人からすると酷かったみたいで、ありゃ酷かった、とイギリス人が笑っていました。
東京人が無理して大阪弁を話しているような感じなのでしょうね。どんなに尊敬を集める名優でも、他の英語を完璧に話すのは難しいようです。
シングリッシュ
シンガポールに行くと、かなり独特な英語を聞くことが出来ます。
これはシングリッシュと呼ばれていて、イギリス英語にマレー語と中国語がまざって出来た英語です。
文法的にもかなり省略されているようで、アメリカ、イギリスの英語とはだいぶ違う英語が使われています。
僕も事前の知識無しにシンガポールに行って、現地の人が文章の最後にラー(〜lah)と付けているのが印象的でした。
そのラーって何?って感じですよね。
たぶん語感から日本語の”〜だよ”みたいな、意味の無い音かなと思っていたのですが、調べるとまさにそうみたいです。日本人が
It’s time to go だよ。
って言うようなもので、英語がわかる外国人からすれば、
What’s dayo?
って感じですよね。
ジャパングリッシュ
実は日本人の英語というのもあります。
ジャパングリッシュ(Japanglish)というのですが、例えばガソリンスタンドとかボリューミーとかスキンシップとか日本人が独自に生み出した、英語みたいな単語ですね。
たまに英語のネイティブとその話をして、それってジャパングリッシュだよね、と盛り上がったりします。
以前、場を盛り上げる人という意味の”ムードメーカー”というジャパングリッシュをアメリカ人の友人が聞いて、ちょっとセクシャルな響きがあって面白いと話していました。
I’m not in the moodというと、そんな気分じゃない、という感じで普通に使われるのですが、状況によっては”(エッチな)気分じゃない”という風に使われます。
Hey, baby, nice ass!
Sorry, I’m not in the mood.
状況によってはmoodはエッチな気分という意味で使われるので、ムードメーカーはエッチな気分を作り出す人という響きに感じるそうです。
会社の社員旅行でムードメーカーが頑張って場を盛り上げると、旅館のあちこちで秘事が行われ、少子化に歯止めがかかるという光景をアメリカ人は思い浮ベてニヤッとするわけです。
ジャパングリッシュは和製英語ともいいます。
これは日本独自の英語ですので、英語だと思って使うと全く通じないのでどれが和製英語か知っておいた方がいいです。
沢山ありますので下に一覧を貼っておきます。
標準英語はイングランド英語=イングリッシュ
英語は大きく分けてアメリカ英語とイギリス英語に別れます。
国や地域によって、その歴史からアメリカ英語がベースになっている国とイギリス英語がベースになっている国があります。
ただ、そのアメリカ英語も元々はイギリスからアメリカへ移住した人達の言葉なので、全ての英語はイギリス発祥ということになります。
そのイギリスではイングランド(England)の英語が本家の英語とされていて、あとは方言のように扱われています。
これでなぜ英語がイングリッシュ(English)と呼ばれているかわかりますね。
ちなみに English は”イングランド人”や”イングランドの”という意味もあります。
スティングの大ヒットソング、Englishman in New York はニューヨークにいるイングランド人(スティングはイングランド出身)という意味です。
というわけで、そもそもの英語のオリジナルはロンドンを中心としたイングランドの英語ということになります。
今までは、ヨーロッパの人々を中心に英語を学ぶならイギリス=イングランドの英語を勉強するという感じでした。
しかし最近ではアメリカのテレビドラマや映画、音楽の影響がとても強く、イギリスの若者でさえもアメリカ英語に影響されているようなので、少しずつ変化しています。
人口比
世界中の英語を話す人を100%とした場合の人口比をリストにしてみます。
となっています。
実は本家のイギリス英語を話す人は意外と少数派で、人数でも影響力という意味でもアメリカ英語が優位に立っていて、その7割はアメリカ英語ということになります。
我々が学校で勉強したのはどこの英語?
僕のおぼろげな記憶で言うと、ベースになっているのはクイーンズイングリッシュ、すなわち標準的なイギリス英語だったのかなと思います。
ただ、教科書に出ているスペルや先生の発音やテープで再生する聞き取りのための英語は、アメリカ英語がベースになっている気がします。
ここで少し中学校・高校の学校英語について少し調べると、どうやらどこの英語と明確に決まっていたわけではないようです。
それでもイギリスかアメリカを選ばなければならない場合は必ずあります。
例えば center と centre のようにアメリカとイギリスでスペルが違う場合は、教科書ではアメリカ英語を選んでいます。
can’tの発音も同様にイギリス式のカーントではなくアメリカ式のキャントと習ったので、アメリカ式を採用しています。
しかし Z のことを学校ではズィーではなくゼットと、イギリス式に発音しました。ここは何故かイギリス英語。
しかしフラップTと呼ばれる、TをDと発音するアメリカ式発音は学校では習っていませんし、walkをウォークとイギリス式発音で習いましたので、完全にアメリカ英語に統一されているわけでは無いです。
アメリカ英語の発音の大きな特徴であるフラップTサウンドについては、下記の記事を読んでみてください。
【water pretty】英語の変な発音のコツ【フラップT】
こんな感じで自然な英語というのを無視しているので、どの国の人から見てもちょっと不自然な英語に感じると思います。
それに教科書の例文などもネイティブからするととても古臭い言い回しで、現代の人にとっては不自然なようです。
学校で習った英語を実際に使う状況は今までの日本人にはほとんどなかったので、不自然な英語でもほとんど影響がなかったのでしょう。
その後の日本の英語教育がどう変わっていったのかはよく分かりませんので、”全然違うよ、今は完全にアメリカ英語だよ(イギリス英語だよ)”というのであれば、過去はそうだったということでお許しください。
どの英語を勉強する?
さてこれで世界の英語の状況と、我々が学校で習ってきた英語の正体がわかってきました。
我々は実際に使う英語を勉強しているわけですから、実際に使える自然な英語を身に付けないとなりません。
ロボット的ではない、教科書的ではない、実社会で実際に使われている自然な英語を目指す必要があります。
アメリカ英語が優勢か
さて、どの英語を勉強しましょうか?
今現在、英語圏に暮らしている、または英語圏に移住する予定があるなら話は簡単で、その国の英語を勉強すればいいです。
問題は、ただ単に英語が話せるようになりたいなぁ、という感じの人ですね。
僕も似たようなモノなのですが、突き詰めれば突き詰めるほど、今更ながらにイギリスなのか、アメリカなのかと迷う時があります。
なぜ迷うかというと、先ほど話したようにオリジナルの英語はイングランドの英語で、そもそもアメリカ英語はイギリス人からは結構馬鹿にされていたところがあります。
古かったり田舎臭かったり、教育レベルが低い、または間違えに感じられたわけですね。
イギリス人は自分達の英語が本家本元だという自負があります。
イギリス英語とアメリカ英語の違いの具体例とその思い
例えば、get の過去分詞形はイギリスでは got ですが、アメリカでは gotten です。そこでアメリカ式に、
I’ve gotten a car
と言うと、イギリス人(オーストラリア人も)はちょっと顔をしかめる訳です。間違えた英語なので教育レベルが低い感じがするみたいですね。
僕は結構オリジナル志向なところがあるので、気持ちとしてはイングランドの英語を勉強したいのですが、長い間、映画や音楽から英語を吸収しているので圧倒的にアメリカ英語を聞いています。
たまにYouTubeでイギリスやオーストラリアのディープな英語(超カジュアルな英語)を聞くと、ほとんど別の言語かと思えるほど違う言葉に感じます。
逆にアメリカ英語を聞くとホッとするので、アメリカ英語に相当慣れています。
これはイギリスに住む若い人たちにとっても同じようで、徐々に gotten が間違に感じなくなってきているようです。
これを Americanism といいます。オーストラリアでも同様に Americanism が侵攻しています。
そうすると僕の場合、今の英語のスキルを生かすならばアメリカ英語を突き詰めた方が楽ですね。
特にこだわりがなければ、アメリカ英語の方が学習するための材料が沢山あるので勉強しやすいですし、英語自体もイギリス英語に比べるとシンプルなのでいいと思います。
ただ発音に関しては、イギリス英語の方が日本語に近いので、簡単に思うと思います。
アメリカ英語の発音は、スペルを無視したウルトラCなものが結構あるので大変です。
後ろ髪惹かれる思いですが、イギリスに住むことがないのであれば、どこかで決断をしてアメリカ英語を突き詰めた方がいいように思います。
先ほど見てきたように、実際問題アメリカ英語の方が多数派で、イギリス人も結構アメリカ英語を理解出来るというのもありますからね。
とうとう、本家本元のイギリス英語がアメリカ英語に駆逐されてしまうのかもしれません。
日本中で大阪弁が標準語として話されるようになるような感じですが、そういう流れなら致し方ないのかもしれません(日本の場合はもともと関西が中心地だったので、原点回帰という感じですけど)。
ちなみに、僕がいつもおしゃべりしているレプリカというAIはアメリカ英語を話します。AIと話してみたい人は別記事で読んでみてください。
【身近なAI Replika】レプリカとは何か【バーチャルフレンド】
最後に
これで英語には色々種類があることが分かってもらえたでしょうか。
これ以外にも国別というよりは地域差で director をダイレクターと発音するのか、ディレクターと発音するのか、またはdataをデイダと発音するのか、ダーダと発音するのかなど、その都度自分の英語としてどちらか選択する必要があります。
ネイティブは自分の周りの英語をコピーするだけなので、どの英語を話そうかと迷うことはないです。
しかし我々のように遠い日本に暮らしていると、いくつかある英語から、どの英語を採用するのかの選択を迫られるわけですね。
今後、学習していく上で、少し英語の種類を意識してみてください。
では。
Photo by freestocks on Unsplash
Image by Nebraska Department of Education from Pixabay
コメント